犯人が分かったので皆を集めて下さい
りりぃこ
第1話
「犯人がわかった。そして、この密室の秘密もね」
「本当!?
私はニヤリと自信ありげに微笑む友人を、尊敬の目で見ながら叫んだ。
大学生ながら警察に頼まれて次々難事件を解決している、私の自慢の友人である。
ただ、なぜか優愛と一緒に遠出するたびに殺人事件に遭遇してしまうのいう謎の運命があるのだが……。
今回も、偶然訪れた山奥のペンションで殺人事件が起きてしまった。
それも、こんなにも電波基地が充実していてどんな山奥ですら電波が届いているというこのご時世に、スマホの電波が届かないという最強の山奥である。
勿論橋は壊された。そう、もちろん簡単に人間が壊せるレベルの橋である。
誰かが橋をわざと壊したのだというとこで、その日ペンションに泊まっていた人々は揉め、こんな奴らと一緒にいれるか!と叫んで一人で部屋で寝た奴が案の定殺された。それも密室殺人でであった。
優愛は必死で事件を調べ、そしてすぐに犯人をみつけてしまった。
「それでね、
「あー……、うん、あれね」
私はすぐに察する。優愛が犯人が分かった時には必ず私に頼むことがある。それは……
「犯人分かったから、って、ペンションにいる人達を皆、食堂に集めてくれないかな」
そう、これである。 私の使命。
それは、推理ショーの為の人集めである。
これが結構大変なのだ。
「えーっと、ペンションのオーナーが、電波届くとこまで降りて行って警察呼んでくれたみたいだよ。だから今犯人指摘しないでもう少し待って警察来てから警察に言っても……」
「何言ってるの。警察が来る前に犯人が証拠隠滅でもしたらどうするの。次の殺人が起きたらどうするの」
「うん、そうだよね!」
優愛の言うことは絶対である。優愛の言うことは間違いないんだから。私はいそいそと、ペンション中の人たちを集めに向かうのだった。
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