誓いの勇者のハーレムパーティー、魔王討伐後に転生したら学園ラブコメはじまった。
坂神京平
【 1 】
「ねぇ
幼馴染の
有紗は、本当に本当なのかしら、と
ちょっと口元を
大きな瞳と
「まあ待て、
ここは学校の校舎三階、隅の空き教室前の廊下だ。
俺は、立ち話を続けつつ、窓から校舎の外を見た。
校門側の前庭にある大時計は、午後三時四〇分を指している。
五月下旬の放課後は、まだ下校していく生徒の姿も
「まだ高校二年生じゃないか。
「……いっつも慧ちゃんってそうだよね、無駄に楽観的だから心配なの! 前世で魔王城へ乗り込む直前もそうだった!」
ひとまずなだめようとする言葉に対し、しかし有紗は反発した。
「あのときも『誓いの精霊』の加護を授かりたい、すぐに魔王を倒せば大した面倒なことはないからって。あっさりと要求された条件を
「い、いやいや、何言ってんだよ! 俺だけじゃなく有紗や他の仲間だって、あのときはみんなそれでいいって言ったじゃん! 俺一人の責任かそれ!?」
一方的に批難され、
すると有紗も、自らの非に思い当たったらしい。気まずそうに横へ目を逸らす。
「うっ、うう~……それはそうなんだけどぉ……。こんなことになるとは思わなくて……」
そりゃ俺だって、こんなことになるとは思っていなかった。
いや前世のパーティーメンバー全員がそうだったに違いない。
だが現実には、予期せぬ事態に遭遇してしまった。
そうして、少なくとも俺や有紗は困惑したまま、現世を新たな世界で生きている――……
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