第3話
「ちょ、…お待ち下さい!!」
はっと我に返ったら、
僕は病院に居た。
目の前に少し困ったような表情をしている看護師さんが居る。
「さっき…、電話貰った……、中島唯斗です、」
息を切らしながら、僕は自分の存在を伝えた。
名前を言うと、看護師さんが「あっ、」と声を漏らした。
「萩原百合さんの恋人さんですよね、?
今、萩原さんは…応急処置のため手術室です、」
「手術…室、?」
そこから、看護師さんを通じて、
僕は百合がここに運ばれてきた理由を知った。
「突然倒れたそうです、ご自宅の近くかと思われる交差点で、」
「突然……、?」
「はい、
たまたま見ていた、通行人の方が救急車を呼んでくださったんです、」
「………、」
もし…、百合が倒れたとき…その人が通りかからなかったら…、
そう思うと、怖くて仕方がなかった、
「…でも、なんで僕の電話に…?
普通…ご両親とかに…かけるのでは……、?」
「あ…はい、通常はそうなんですが…、あの……、萩原さん、ご両親の連絡先がなくてですね、…」
「両親の連絡先がない…、?」
「はい、通常は一旦市役所を通して、患者様のご両親の連絡先などを教えてもらうのですが…、
萩原さんの場合……、その…、
ご両親がだいぶ前に亡くなっていまして、……」
「ぇ…、?」
「親戚の方やご兄弟の連絡先も調べたのですが…、」
「なかった…ということですか、?」
「そういうことです、」
「それで、最終手段として、萩原さんのスマホで…中島さんの連絡先を知り、
ご連絡させていただいた…というわけです、」
「なる…ほど、…」
百合の両親が亡くなっていたことは知らなかった。
親戚の方は、もうずいぶん前に亡くなって、兄弟姉妹はいなくて…一人っ子、
というのは聞いていた。
なにを…隠していたんだろう、
君と過ごした7日間へ ほわいともか @whaitemoca
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