優しい死神

誤字はすてーたす

第1話「優しい死神」

はぁはぁ…!

今は夜。月は新月…。お陰か周りは暗く私を隠してくれる。私は辺りを見渡す。

(ここか…。もうそろそろ…。門だ…。)

私は警備をくぐり抜け、森に入り走り続けて3時間。下界に降りる為に逃げていた。

(あと少し…。ここまで来れば…。え?明かり?まさかもうここまで追ってきて!)

私は咄嗟に森の中に入り身を隠す。

するとリーダー格のやつが周りに喝を入れる。

「何故だ…。ネズミ一匹見逃さない警備をくぐり抜けるなんて!」

リーダー格は激怒する。

「あの罪悪人は!死人の魂を90個集め食べた!あいつを絶対に逃がすな!」

するとそいつの部下らしき物がリーダー格に話しかける。

「どうして罪人は逃げているのでしょうか?」

リーダー格は眉のシワを深くする。

「そうだな…。魂100個でも集める気なんじゃないか。そうじゃなきゃ90個も集めないだろ。絶対にだ!100個集めさせてはならない!死神が絶対に犯してはいけない禁忌をあいつは犯す。絶対に阻止しなければならない!」

私は体を丸め耳を塞ぎ静かにする。

「それよりも探し出して、あいつは死刑だ!」

うるさい…。

「あいつはダメだ!絶対に殺す!」

うるさい…!

私は苛立ちその場を走り逃げる。

ガサガサ…!

「なんだこの音は…!」

リーダー格のやつが音にきずきその方を向く。

「居たぞ!殺せ!」

するとリーダー格の指示で動き始めた部下達がは私の方にランタンを向け走ってくる。。周りが明るくなり道じゃ所が明るくなる…。

(バレるなんて仕方ない!こんな所に居たら私は…

!はぁはぁ…。頭が…。はぁはぁ…。おかしくなりそうだ!私はあなたに嘘を着いた!あなたに謝りたい!早く…。早く…!私はあなたに…!あなたに!)

――――――――――――

今は夜。月は三日月。私は街中を帰路を辿っている。独身25歳記者彼氏募集中、最近病院に入院しているお母さんから”結婚はいつ?”と毎日電話をする度に言われる私は、つい最近、4日前に起きた事件、”連続自殺事件”を追っている売れない記者よ。え?私の名前だって?”ユウカ”よ。でさ”連続自殺事件”ってねすごい不気味でね…。まず名前が変。”連続殺人事件”ではなく”連続自殺事件”。そこだけでも結構不気味。そんな事件が4日間で6回あった。連続自殺、様々な年齢層、大半が10代。自殺を…。まぁここでは言えない様なことが起きているのよね…。それにね。死んだ人にはみんな1つの共通点があるんだって。それはね。”死体には泣いている痕跡がある”って事。どこから漏れた情報なのか分からない…。その情報を出したのは犯人かもって噂があるがどうせガセだろ…。てか自殺に対して犯人は居ないだろ!売れない記者であっても見抜けるわ!こんなの!それでね、回数は少ないがここ4日の話で”短期に4回も自殺が起きるのはおかしい”ってことでネットでは”連続自殺事件”なんて騒がれ呼び名が定着した。これはいいネタ!とか思ったわ。まぁ記者なのでこんなネタは好物でこの事件に関しては相当調べてるんだけどね…。けどねこれといった、スクープがない…。上の人からは、「そんな記事にならないものは切り捨ててスクープを見つけてこい!」ちぇ!なんだよ。なんだよ。はぁ…。悲しいなぁ…。こんなに調べたのになぁ…。

私はため息を着く…。後ろに背負ってある沢山調べた資料が入ってるバックを見る。

悲しいなぁ…。

再度私はため息を着く。

ビルの真ん中…。それを思ったとしてもなぁ…。誰も聞いてくれないよなぁ…。はぁ。私は何で3回もため息を着く!

両手でほっぺたを叩く。

「あの…。」

すると男2人が私に話しかけてきた。

「・・・・。はい、なんですか?」

怪しいが…。話は聞いてやろう。

「ここに行きたいのですがここは今どこですか?」

すると男の1人の方が地図を出してきた。

「今ここなんで。ここを右に曲がって、ずっと真っ直ぐです。」

「あぁ。なるほど。ありがとうございます!」

するともう1人の男の方から

「お礼と言っては何ですが…。どうですか?お茶でも。」

(あ…。ナンパか。)

私は断ろうとしたが…。

「行きましょうよ!」

すると地図を出てきた男が手を取ろうとする。

(こいつ…。結構大胆だな…!)

手を強引に捕まれ引っ張られた。

「ねぇ!やめ!」

私がそいつの手を振り払おうとした時…。ドッ!誰かがもう1人の男にぶつかり倒れその場に座り込んだ。

すぐに立ち上がりぶつかった子に対して圧をかける。

「おい!いってねえーな!が…!」

「女の人困ってるじゃない。やめなよ。」

すると男の方はキレ胸元をつかもうとするが…。

「やめなよ。今気分が悪いんだ。」

見ただけでわかる…。女性だ…。いや!違うそこじゃない!私たちと雰囲気が違う。この子は…。なんかある。絶対に!これはスクープ!!!

男達もそれを気づいたのか男は胸元を掴むのをやめた。

「ちっ!行こうぜ。つまらね!」

2人はその場から立ち去った。

「スクープ!!!」

とても大きな声で叫ぶ。街中に響く。

「え?急にどうしたの?」

驚く少女。

「あの…。もし良かったら、ご飯食べに行きませんか!?」

「え?ナンパ?」

私は意気揚々言う。

「はいそうです!あなたの話を沢山聞きたくて!」

再度びっくりする少女。

「なんで?」

「あなたから!沢山のスプークの匂いが!プンプンするからです!」

私は少女に近づく。

(物理的にも気持ち的にもグイグイくるなぁ。この人…。)

すると少女は少し離れ口を開ける。

「私はね!」ぐぅー。

「・・・。あ。」

少女は顔を赤らめる。

「お腹すいてますねぇ。」ニヤニヤ。

少女はお腹をさすりため息をつく。

「はぁ…。お腹すいてる。はぁ。なんか食べたいなぁ…。」

私は時計を見る。

(夜の8時…。ならあそこが今空席が多いはず…。なら!)

「わかりました!なら食べに行きましょう!」

「え?お金ないけど?」

私の咄嗟の提案にびっくりしたのか目を開く。

「それなら大丈夫です!私が奢ります!助けてくれたお礼もあるので!沢山食べてください!あなたについても話を沢山聞きたいですから!」

「あはは。恥ずかしいなぁ。」

少女は少し恥ずかしそうに下を向き人差し指でほっぺをかく。

(…。この人、目が輝いてるなあ。こんな人に合うなんていつぶりなんだろ。人?確か人間には名前があるんだっけな。)

「所で、あなたの名前は?」

「ユウカ。」

「ユウカ…。よろしくね。」

「うん!よろしくね!所であなたの名前は?」

「私の名前…。」

私は名前を言った。

「死神。優しい死神。よろしくね。」

「死神…!」

少しユウカはびっくりしたが、状況を理解したのか…。いいやしてないだろう…。しかしユウカの目をまた輝き始めた。

この人ってポジティブだなぁ…。

私はため息を着く。

「まぁ行きますか!私の行きつけのお店に!」

ユウカは歩き出し私は後を追う。







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