幼馴染に彼氏ができたっていうから、オレも彼女できたっていったら甘〜いキスに発展しちゃった⁉︎

猫の集会

マウント

 オレの名前は、純也じゅんや

 

 高校二年生でございます。

 

 

 本日は、バイトもなく部屋でゴロゴロしてございます。

 

 

 ギャハハと声をあげて、携帯で色々と鑑賞しておりました。

 

 

 するといきなり、

 

「あんたって、ヒマ人なんだねー」

 

 と、オレの部屋のドアの前で腕組みしながら上から目線の菜月なつきがやってきた。

 

 

「おい、オレの部屋を勝手に覗き見しやがって」

 

「あー、空いてたし」

 

「不法侵入め」

 

「おばちゃんにお邪魔しますっていったよーん。」

 

 …

 

 菜月のやつは、ああ言えばこういう幼馴染です…。

 

 

「で?何?」

 

「いや、別に用なんてないけど純也って暇すぎてかわいそうって思って、遊びに来てあげたんじゃん。どーせ彼女なんかいないんだしさ」

 

 

 …

 

 

 なんかイラッとしたもんでオレはつい

「彼女いますぅ〜」

 ってとっさに嘘をついてしまった。

 

 

「えっ⁉︎嘘でしょ⁉︎」

 

 嘘です。

 

 でも、ウッソ〜って言ったら笑われると思ったんで

「ほんと」

 ってまた嘘ついてしまいました…。

 

 

 鼻伸びてない?って心配になって、少し鼻をスリスリしてみたけど、伸びてなさそう。

 

 

「あー…わ、わたしだって彼氏できたもん。その報告しにきたのにさ…。てか、いつから付き合ってんのよ?」

 

 

「えっ?彼氏できたの⁉︎」

 

「え、あ…まぁね」

 

 …

 

 知らんかった…。

 

 オレはいつのまにか失恋しておった…。

 

 

 そうなんです。

 

 実は、オレは菜月が好きだったんですよね…。

 

 

 なんともあっさりした失恋でございます。

 

 

「へー…彼氏できたんだ。おめでとう。」

「あ、ありがとう。…てか、純也もおめでとう」

 

 

 …

 

 彼女いないのに、おめでとう発言いただきました。

 

 

 …気まずい。

 

「てかさ、いつからって聞いてるの」

 

「ん?」

 

「だから、いつから彼女いるの?」

 

 

「あー、最近。いや、ずっと前から」

 

 最近なんて言うと、またなんか言われそうだよね。

 

 わたしなんかもう半年とか言われたら、しゃくにさわるし…!

 

 

「へー…、知らなかった。」

 

「まぁな」

 

 だって、そもそもいねーし。とは、言えない。

 

 

「じゃあさ、恋バナしよ?」

 

 なんていきなり言い出す菜月。

 

 

 ⁉︎

 

 えと…

 

 どうする⁇

 

 今ならまだ傷は浅い…よね?

 

 いませんって白状する?

 

 

 …

 

 

 でも、絶対馬鹿にされる…

 

 

 てなわけで、花を咲かせましょう‼︎

 

 そう、オレは開き直って話に花を咲かせることにいたしました。

 

 

 ヤケクソです‼︎

 

 もう、漫画で読んだ通り言えばなんとかなるっしょってなわけけで、恋バナを開催いたしましたっ‼︎

 

 

 …

 

 

「で…恋バナって何するんよ?」

 

「えと…だから…そ、そうね。甘いキス…」

 

 

 ⁉︎

 

 んっ⁉︎

 

「なに?どういうこと⁇」

 

「だからー、彼女いるなら甘いキスとかした?って言いたかったの」

 

 

 …

 

 甘いキスとは⁇

 

 甘〜い飴なめながらのキス?とか?

 

 …

 

 

 一瞬オレはフリーズしたよね。

 

 

 プリーズ!脳みそに糖分〜ってな感じで脳みそ思考停止中。

 

 

 チクタクチクタク

 

 数秒考え、オレは漫画のワンシーンを思い出した。

 

 

「あー、甘いキスな。と、とろけるようなやつだろ?あのー優しくね?ほら…なんか、とにかく目がとろ〜んってやつだろ?」

 

 と、しどろもどろ返した。

 

 すると今度は、菜月が固まった。

 

 

 あ、やべ…

 

 甘いキスしたことないってバレた⁇

 

 

 てか、そうだよね…。

 

 未経験なんですもの…。

 

 仕方ないじゃないって心で見苦しい言い訳してます。

 

 

 すると菜月は、なぜか泣き出した⁉︎

 

 

「えっ⁉︎どうした⁉︎泣いてる⁇」

 

 菜月が目をゴシゴシこすっているじゃありませんかっ‼︎

 

 

「いや、なんでこのタイミングでわたしが…このわたしが泣くわけよ?」

 

 って言いながらもめっちゃ涙出てますやん…?

 

 

「おい…どうしたよ?」

 

「だって…だってさ、純也がいきなりキモいこというから、びっくりして目から鼻水出ちゃったじゃん」

 っていうんですよ?

 

 

 どんな拒絶反応よ?

 

 

 オレって…めっちゃキモがられてたんね。

 

 

 なんか知らんけど、心の中で何かがしょげたよ?

 

 大丈夫⁇

 

 オレ…

 

 ってかさ、とにかく菜月が全く気に入らない‼︎

 

 

 そんなに目から鼻水出さなくても良くない⁉︎

 

 

 …

 

「あのさ、菜月は…どんだけオレのこと嫌いなんだよ。」

 

 

「めっちゃ嫌い‼︎ヤバ…嫌いすぎて目から鼻水止まんない」

 

 って、めっちゃ泣くんよ?

 

 

 もうさ、どんだけ拒絶するんよ⁉︎

 

「失礼なやつだねー。オレの甘いキスがどんだけキモいんだって」

 

 …

 

「もう…その話、や、やめて。」

 

 自分からふっておいてやめてって…

 

 

 ひどいやつ。

 

 

「菜月は?自分だって彼氏とキスするんだろ。なら、浄化してきてもらったら?拒絶反応治るんじゃね?」

 

 

 オレはめっちゃやさぐれたよね…。

 

 そんなあからさまにキモがるなんてさ…てか、菜月が彼氏いるなんて…ショック過ぎ‼︎

 

 

「もう…おそい」

 

「ん?なんて?」

 

「だから、もう…遅いの‼︎」

 

 

 …

 

 

 え?

 

 まさか菜月…彼氏と別れたんじゃね⁉︎

 

 

 オレをキモがるっていうか…

 

 彼氏との甘いキス思い出して泣いてる⁉︎

 

 

 

「えと…菜月…。大丈夫だよ。大丈夫だから、泣くなって」

 

「なにが大丈夫なの…よ。あんたはいいわよ。彼女とラブラブでさ…。でもわたしは…わたし……」

 

 あー、号泣です。

 

 完全にさっき別れたばっかりなんじゃね⁉︎

 

 

「あのさ、ちゃんと彼氏ともう一度話し合いなよ?より戻すカップルなんていくらでもいるからさ。ね?」

 

「じゃあ、純也は別れないんだ?彼女と別れてもまたすぐにやり直して、エンドレスで付き合って別れてってするんだ?そんで結婚するんだ?」

 

 って泣きながらおっしゃる菜月。

 

 

 …

 

 

「それは…わかんないけど…」

 

 

 だって、オレ彼女いないんで…。とは、言えない。

 

「じゃあ、結婚するかもじゃん」

 

「…オレはともかく、彼氏にやり直したいって言ってみたら?」

 

 …

 

「別れてない」

 

 

 ⁉︎

 

 あー、別れてなかった。

 

 ケンカしたんですね…。

 

 いいですねー…彼氏さん。

 

 ケンカして、ここまで泣いていただいてさ…?

 

 ケンカするほどなんたらかんたらってやつか…。

 

 

 オレは近くにあったジュースでやけ酒ならぬやけジュースをゴクゴク飲みましたとも。

 

 

 その様子をじっとみてくる菜月。

 

 

「…飲む?」

 

 飲むわけないだろうけど、一応聞いてみた。

 

 

「飲むわけない‼︎そんな彼女の口付け」

 って言われたよね。

 

 

「…てか、彼女の口付けとは?」

 

「だって、チュッチュチュッチュいっつもしてるんでしょ⁉︎優しい…優しい…キンモイキスをさ‼︎」

 

 なんて言い出す菜月。

 

 キンモイって言葉…余計じゃん⁈

 

 

 オレってそんなにキモい人間なんかね?

 

 …なんか、一生彼女できない気がしてきた…。

 

「オレって…そんなキモい?」

 

「めっちゃキモいー…ヤダー。また鼻水出てきたからー」

 

 って、目から鼻水を出す菜月…

 

 

 そんなアレルギーがあったなんてオレは、知らんかったよ…。

 

 

 菜月は、オレの家から帰るといっつもこうやって目から鼻水垂れ流してたんかね?

 

 

「菜月…なんか、ごめん」

 

「なんで謝るのよ…余計シンドイ」

 

 …

 

 いかん…。

 

 余計鼻水を溢れ出させてしまったようだ。

 

 

 もうさ、オレへの拒絶なのか彼氏とのケンカの件で泣いてるのか…どっちかわけわからんわ…。

 

 

「とにかく、ティッシュどうぞ」

 

 って差し出したんよね。

 

 そしたらさ、いきなり菜月がオレの手をギュッてしてさ、

「離れてよ」

 っていうんです。

 

 

 ?

 

「あなたが掴んでおりますが?」

 ってなるよね。

 

 

「そうじゃなくて…そうじゃないよ。」

 

 っていうんですよ。

 

「なぞなぞかな?」

 

「違う…。ヤダ」

 

 

 …

 

 

「はい?」

 

 もう、わけわからん。

 

「好き…」

 

 

「あー、それは直接彼氏にいいなよ。菜月は、強がりだからなー」

 

 って笑って言ったけど、実はオレの心はグッサグサだかんな?

 

 オレ、おまえのこと好きだったんだかんな?って言ってやりたかったけど…無意味だから、言いません。

 

 

 ギュッ

 

 

 …

 

 

 オレは菜月に抱きしめられました。

 

 

 えっとー…

 

 これはどういう状況⁇

 

 

 彼氏にこの状況をみせてヤキモチやいてもらうん?

 

 

 まさか今、撮影中かい?ってキョロキョロしたよね。

 

 

 でも…オレたちの携帯…二台ともそこに転がっておりますね。

 

 

 … 

 

 

「菜月?」

 

「好き!好き好き好き‼︎」

 

 

 …

 

 あ、オレって…今、練習だいにされてる⁉︎

 

 うーん…ならば彼氏役ってことか…

 

 

 彼氏は、どうするんですかね…?

 

 …

 

 オレもだよ。ごめん

 っていうかな?

 

 ってさ‼︎

 

「オレじゃねーだろ‼︎時間の無駄。練習とかいいから早く彼氏のとこ行きなよ…」

 

 いってほしくないけど…仕方ないよね…。

 

 なんならずっと練習していいよ?って、エロおじさんに進化したかったけど、めっちゃ我慢したよね。

 

 

 だってオレってただでさえ、キモい人間なんですから。

 

 

「いないよ‼︎」

 

 ⁇

 

 彼氏お留守中…?

 

「えと、お出かけ…?かな⁇」

 

 いないとは?

 

 

「ほんとは、彼氏なんかいない…。純也のバカ‼︎勝手に彼女なんかつくってさ…なんで気づかなかったのよ‼︎バカ‼︎」

 

 って、二回バカいただきました。

 

 

 

「え、気づかないよ。だって学校違うし…彼氏できたって言われたら、信じるでしょ」

 

「そこじゃない‼︎この状況でまだわからない⁉︎抱きしめられて好きって言われてんのにわからないの‼︎」

 

 って、軽く怒られた?

 

 …へ?

 

 

 ん?

 

 

 あー…‼︎

 

 

 そういうことかよ‼︎

 

 ややこしいやつめ‼︎

 

 

 

 

 

「菜月…オレも好き」

 

「なら、彼女と別れてくれるの?」

 

「うん。そもそも彼女いない」

 

「は?じゃあ、優しいキスの話って嘘⁉︎」

 

「うん。うそ」

 

「なんだぁー…。泣いて損したー」

 

 あ、オレの為に泣いたん⁇

 

 キモい拒絶反応じゃなかったんかーい‼︎

 

 

「菜月〜〜♡オレの為に泣いたんだ?かわいいやつめ。じゃあ今からたっぷりお詫びするわ。優しいキスってやつ堪能させていただきます‼︎」

 

 

 オレは菜月を優しく抱きしめて、それからめーっちゃ優しくて甘〜いキスを何度も何度もしましたとも♡

 

 おおぅ♡

 これが甘〜いキスなんかい‼︎

 

「菜月、かわいい」

 

 チュ〜♡

 

 いや〜、最高ですね♡

 

 優しいキス♡

 

「菜月、いままでのお詫びを兼ねて今度は、激しいキスお詫びするわ」

 

「えっ…変態〜」

 

「いいじゃーん、ね?」

 

「うん…。心の準備しておきます♡」

「はい、よろしい♡」

 

 

 こうしてオレたちは、いろんなキスをこれからもたくさんするのでありました♡

 

 

 

 

 おしまい。

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