ヴィランズ
隼
第1話 決意
200年前、特殊能力を持った子供が生まれた。
体を石に変化させることが出来たらしい。
そこから能力を持った者は生まれ続け、いつしかこの世界の全員が何かしらの能力を持つようになった。
能力のおかげでこの世界は発展していき、都会と田舎の差がなくなり、街は俗に言うサイバーパンクな雰囲気の街となった。
だがいいことばかりではない。
能力を悪用し、犯罪を犯す者がいる。
その者たちを人々はヴィランと呼ぶ。
そして、そのヴィランから民間人を守る者たちをヒーローと呼ぶ。
ーーー
俺の名前は
ヒーローを目指している。
今日は学校で進路希望調査の紙が配られた。
俺は
ヒーローは全員、
そして、その神座に所属するには神楽学園というヒーロー養成学校に通わなければいけない。
俺がヒーローを目指し始めたのは10歳の時。
ヴィランに襲われたところをヒーローに助けてもらったことがきっかけで俺はヒーローに憧れた。
俺は帰宅部なので学校が終わるとすぐに帰宅する。
家に帰ると専業主婦の母が優しく出迎えてくれる。
俺は家族が好きだ。
今日もいつも通り帰っていると俺の家が燃えていた。
「なにこれ…」
消防士による消火活動が行われていて救急車も来ていた。
俺は一緒に救急車に乗り、病院に向かった。
「母さん!母さん!」
「仁…」
母さんは力を振り絞って何かを伝えようとしていた。
俺は母さんの口に耳を近づけた。
「仁…ヒーローに…ヒーローに」
「俺絶対ヒーローになるよ!」
「ヒーローにやられた」
「え?」
「ヒーローが家を燃やした」
ピーーーーー
母さんは救急車の中で死んでしまった。
不幸は連鎖する。
父さんは会社から帰って来た後その日のうちに自殺してしまった。
俺は一瞬で一人になった。
色々なことが起こりすぎて気持ちが追いつかない。
今は悲しみもあまり感じない。
何が起きたのか理解するのが難しい。
冷静に考えてみることにした。
母さんが最後に言っていた言葉。
ヒーローが家を燃やした?
そんなことある?
でも母さんが嘘つくはずがない。
じゃあ本当にヒーローが?
一晩中考えた。
何も結論は出なかった。
だからやるべきことは一つだった。
ヒーローになる。
ヒーローになれば何かがわかるかもしれない。
そして半年後、神楽学園の入学試験当日となった。
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