ホラー部門おすすめ1

・全体の所感

 カクヨム発のホラーにヒット作がいくつかあることもあり、モキュメンタリー(フェイクドキュメンタリー)系のホラーが目につく印象が強いです。雑多な文書やメモをつなぎ合わせて一つの真実にたどり着く、そういう作品が多いのですが、モキュメンタリー系は序盤でセットアップを終えて、引き込むところが非常に難しく、地力の差が出るジャンルに思えます。

 カクヨム発では『領怪侵犯』みたいな作品が好きなので、モキュメンタリー系以外を多めに推しています。


以降、作品の記載方法は

 作品名/作者名

 『作品名』

のいずれかとします。


・おすすめ作品

1)怪族/ゴルゴンゾーラ三国

 『転生守銭奴女と卑屈貴族男の結婚事情』(コミカライズ版のタイトルは『お金が大好きな平民の私は卑屈貴族と契約結婚して愛し愛されます』)などのゴルゴンゾーラ三国先生のホラーです。もともとファンなので、真っ先に読み始めました。序盤からじっとりとした怖さがどんどん加速していく、王道Jホラーの趣です。


2)東京因習ウカガイ様/λμ

 因習村としての学園で恐ろしい存在と対峙するホラーミステリー。誰が味方なのか? 何が真実なのか? 怪異以外の怖さもしっかり描かれている、カクヨム向きのホラーだと思います。


3)商品レビューで構成されたホラーです/くぐつけいれん

 旧題『殺人ピエロの週替わりレビューウォッチング』だけを見て、殺人ピエロ殺戮ショー配信ものかと思ったのですが、読んでみたら違いました。

 通販サイトのレビューを見ていく配信者「殺人ピエロ」のチャンネルの様子を描いたモキュメンタリー系、あるいは実話怪談系のホラーです。

 切り口として新しい題材ですし、オムニバス的な連作短編としてホラーとして面白いです。世界観が不穏。

 おそらく今回のカクヨムコンで一番、小説外のギミックも生かしているモキュメンタリー系かと思います。

 イチオシですが、受賞するなら特別賞かコミカライズ賞だと思います。


4)禍系図/鋏池 穏美

 ホラー部門内では頭三つくらい抜けた文章力で、陰鬱さも随一。モキュメンタリー系以外から大賞が出るならこれでしょう。

 ただ、精神的ダメージを受けすぎるような描写が多く、レビューは後回しにしていました、というか2024/12/31現在まだ書けていません。そのくらいホラーらしいホラーだとも言える、圧のある作品です。

 大賞予想その1です。


5)三重県津市西区平山町3-15-7/大舟

 近畿地方系モキュメンタリーホラーの正当後継者といった趣の作品です。

 日間・週間ランキング1位をキープし続けていたので、私がおすすめする必要もないのですが、近畿地方系モキュメンタリーホラーが好きな人に向けて、ガッツリ面白く作られています。連作短編としての怖さがある『商品レビューで構成されたホラーです』に対し、本作は全体で一つのテーマを語っています。

 大賞予想その2です。


 他にもいい作品はありますが、今回紹介するのはここまでです。

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