泥棒に入られた話
もりくぼの小隊
泥棒に入られた話
2024年十二月、我が家に泥棒が入った。どうやら深夜に寝静まった時に、盗みに入ったらしい。自分や家族は無事だ。最近の世間で起こる事件を考えると命があっただけよかったと思う事にする。そうしなければ、悔しさでやりきれない。
前日の夜、私は小説の執筆を終えた後、息抜きに最近発売されたRPGのレベル上げを三十分ほどプレイして23時近くに就寝する事にした。戸締まりを確認して二階に上がって就寝したと曖昧だが記憶している。
早朝、五時半に起き、先に起きていた母がストーブをつけてくれているのを見ながらしばらくとコタツで暖まりながら朝食を食べた。仕事に行く準備をした後は、日課のカクヨムのエッセイを読み、いざ仕事に行こうと財布を置いてある場を見てみると異変を感じた。そこにあるはずの財布は無く、免許証を入れたパスケースだけが置いてあったのだ。落ちてしまったかと床下を探すがどこにも見当たらなかった。
だが、この時はおかしいとは思いつつもそれほど慌ててはおらず、きっと別の何処かに置いてしまったのだろうと思った。家の中がそれほど荒らされて無かった事もあるかも知れない。仕事に出る時間が迫っていたのでスマホケースに入れてる予備のお金を確認して仕事に行った。
母から急に連絡が入ったのは午前の仕事中だった。父の財布も無いというのだ。それから警察が来て、色々と大変だったらしい。私も電話口で刑事さんという方に財布の特徴を説明した。幾ら入っていたか他に何か入っていなかったという事も事細かに説明した。
昼休み、泥棒に入られているかも知れないというショックで話を考える事はできずに、カクヨムコンに長編で参加するのを断念する事にした。既にカクヨムコンは始まっていた事もあり、どこかでプツリと糸が切れたのかも知れない。どのみち、こんな精神状態のままで無理くり書いてもよくは無いと思った。言い訳かも知れないが。
午後の仕事中、警察から電話が戻って来た。盗まれた財布が纏めて置いてあったそうだ。その中には鞄もあったようだ。この鞄には過去に貰ったゲームの予約特典冊子等を保管しているだけなので、金目のものは入っていない。肝心なのはその鞄が置いてあったのが家族の寝ている寝室だった事である。つまり犯人は寝静まった家族の直ぐ側まで侵入していたという事である。途端に恐ろしさが込み上げてきた。もし、何らかの理由で家族が起きて鉢合わせした時に襲われていたかも知れないと思うと震えてきた。世間で騒がれている短絡的な強盗事件等は暴力を振るわれ犠牲になる事が多い。テレビやSNSでそういった事件を知っていてもどこか他人事のように思っていたかも知れない。それが一気に現実に降りてきたような気がした。家族が鉢合わせせずに無事な事に心から安堵した。電話口に代わってもらった母の声はどこか疲れているようだったが、声が聞けた事が凄く嬉しく感じた。
しばらくして、警察から再度の連絡で、財布の中にあった五万円弱の現金は無くなっている事と、自身の財布の価値は幾らかとか鞄の中身の価値等を曖昧でいいから応えてくれと言われたので深く考えずに答えた。そこはもはやどうでもよかった。
帰宅して、家族から事情を聞くと犯人はまだ捕まってはおらず、何故か家のゴミを持ち去って近所の家に捨てていたらしい。この行動をする犯人の心理は分からないが、今は家族の無事を喜び、犯人が早く捕まる事を願う。最後に、警察が再び来てくれて指紋を取って帰った。優しい言葉を掛けていただけた事に感謝したい。
泥棒に入られた話 もりくぼの小隊 @rasu-toru
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