勇者が死んだけど、これからどうしたらいいの?

@HANAMIHANATABA

第1話

 魔王として生まてきた私は、魔物たちを統べ、いずれは勇者を・・・えっ!?勇者死んでるんですけど!! 


私が勇者の死を知った直前、廊下から大声を上げて走ってきた者がいた。


「魔王様!!」


「なっ・・・なんだ!ベルゼブブ。ノックくらいしろ!」


背中に羽が生えた緑の髪の美少女は私に近づいてくる。


「魔王様・・・・・」


私はゴクリと息を呑んだ。ベルゼブブは、私の肩を両手でつかんで言い放った。


「魔王様! 勇者が・・・死にました!!」


ベルゼブブは、私が勇者が死んだことを知らないと思ったから、私に報告をしてくれたのだと思うが、あいにくと私の返答は・・・


「なんだ。そんなことか・・・」


「えっ?」


そんなことかと言った私に、ベルゼブブは驚き聞いた。


「あの・・・勇者が死んだんですよ?」


私はベルゼブブの表情を見る。その表情を見て、私はくすっと笑い、先ほどのベルゼブブの疑問に答えた。


「ああ、実は・・・」


「魔王様が殺したんですね!!」


えっ・・・!? 違うと言おうとする。だがしかし、ベルゼブブは、扉を開けてどこかへ走り去ってしまった。


「まあ・・・いいか」


私は布団に転がり、眠った。


──朝起きると、なにやら外が騒がしかった。私は窓を開け外を見ると・・・


「おお、魔王様!!」


外に集合していた魔物達が私を見て歓声を上げた。その中に何故か、ベルゼブブもいた。


「なにやってるの? お前ら?」


私は下にいた魔物たちに大声で聞くと。


「なにって、魔王様が勇者を倒したから、その祝杯です。ああ、心配はいらないです。先ほど人間の国に、「勇者が死んだ」、と電報を送ってありますから」


「ああ・・・」


私は少しの間だが、思考を放棄した。




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