第14話 すばるの慰め
その夜、すばるが仕事から帰宅すると、あゆみは静かにため息をつきながらソファに座っていた。
「どうした?」とすばるが尋ねると、あゆみは今日の出来事を話し始めた。
「れんに歯磨きを促したら、嫌だって言われてしまって……。私、間違ったことを言ったのかな。」
すばるは静かに耳を傾けた後、優しい声で答えた。
「あゆみ、そんなに気にしなくていいよ。子どもは時々、誰に対しても反発するものだ。君が悪いわけじゃない。」
「でも、れんのあの言葉……。私が家族じゃないからなのかもしれない。」
その言葉に、すばるは少し驚いた表情を見せた。
「そんなことないよ。れんは君のことを信頼してると思う。ただ、まだ心のどこかでどう甘えていいのか分からないんだと思う。」
その言葉に、あゆみは少しだけ安心したように見えたが、それでも胸の奥に残る違和感は消えなかった。
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