悠里の考えてることは全てわかる
「悠里のことバカに出来ないなぁ」
そう独り言を呟いて廊下を歩く。ハードルにつまずいた悠里に教えるといったのにまさか陸上部の自分がハードルにコケると思わなかった
「あたしも衰えたのかなぁ」
なーんてOGの先輩みたいなことを言ってあたしは高二にして自分を見つめる
「ふんふんふーん」
怪我をしたのに足取りが軽い。今の時間なら多分悠里が消毒液を届けるために保健室にいるだろうし怪我してよかったとまで思える。
あの子なら多分保健室の先生になんて言おうか考えてるはずだし、保健室にいなくても多分すれ違える。
ネガティブの極地みたいな子なんだもん、簡単に何をしてるか想像つくよ
「ん?」
「えっあ、あの」
声が聞こえる。あたしには分かる。これは悠里の声だ、悠里が戸惑ってる声。
あの人見知りの悠里がなにを話してるんだろ。怪我して消毒液持ってったと思われてなんかされてるのかな。
しししと笑って耳をドアに当ててみる
「んー」
ボソボソしてて聞き取りにくい。
「悠里」
「ん?」
あれ、保健室の先生の声じゃない
もしかして違う人?シメられてる?
(失礼しまーす)
静かにガチャっとドアを開けて中に入ると奇妙な景色だった
金髪ピアスの人が悠里に密着して顎クイして見つめてる
「ねぇ悠里、私、あなたが好きみたい」
「えっ」
それはもうこれ以上ないくらい目を丸くしたよね
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