第11話

 ぬ……りかべ……と、いう物を


見た事があるだろうか。


私は見た。


見た。


見ている。


ぬりかべ……である。



 目の前の壁が動き、そこの一部分から畳2畳ほどの正方形のコンクリートが飛び出した。巨大こんにゃくの壁が私の前に現れて、その落ち武者に向い低いうなり声を出したかと思うと、身体を揺らして落ち武者を潰した。



「ぬりかべー」って言いながら

 

どすーんって


落ち武者を潰してしまった。


 その様子をアゼンとして見ていると「早く!」って、男の人の声が聞こえ我に返った。私はジャケットに刺さっていた弓を乱暴に引っこ抜き、足元をふらつかせながら男に呼ばれて自分の部屋に入る。


 え?私の部屋なのに?なんで呼ぶ?誰?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る