第4話

「えーっと、お仕事はしてないと?」

不動産へ行くと嫌な顔をされた。

「はいっ!」

 絶賛失業中ですが返事と笑顔は最高の29歳です。


「駅とコンビ二が近くて、オール電化でオートロックで監視カメラが付いていて、小綺麗で人に優しいアパートお願いします。値段は3万円台で」


 そうお願いすると、同じくらいの年齢のお兄さんの口元が引きつる。


「3万円台?」


「はい」

笑顔しか売りはない。スマイル0円。

 普通ならここで追い出されるら展開だけど、そのお兄さんはにっこり笑って元気に「了解しました」と、返事をする。


 聞き間違いかな?

その返事にこっちが驚いて目を丸くすると、お兄さんは爽やかな笑顔で私を見つめ返していた。

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