英雄は噂を流す

「よし、ワイトよついて来い」


 そう言うので俺は外を出てエドさんの後をついて行った。


「ここは?」

「わしの行きつけの特訓場じゃ!」 


 特訓場に行きつけってあるのかよ!


「エドさんだぁ!」

「本当だぁ!!」


 ある男性がそう言うと皆、テンションが上がっている。


「久しぶりじゃの」


 知り合いなのか?


「エドさんのお陰で大分強くなれましたよ!」

「僕も!」

「私も!」

「あたしだって!」


 教えていたのか。てか結構有名な感じだな。


「すまないが少し離れてもらえるかの?」

 

 エドさんがそう言うと皆は離れて特訓を再開した。


「ワイトには色んな魔法を覚えて欲しいんじゃ!」


 なるほどその為にここに来たのか。でも、エドさんの魔法は雷属性と火属性だから試しにやったのと他の魔法か?


「とりあえずは、ファイヤとサンダー以外の魔法じゃ!」


 そう言うと俺はエドさんの魔法を覚えた。


「噂通りの面白い子みたいね」


  エドさんの後ろから女性が現れた。


「久しぶりじゃの、アリス」

「そうねぇ、魔王を倒してから50年ぐらいたったかしら?」


 この人も英雄なのかよ!


「私はこの子を鍛えれば良いのね?」

「いや、魔法を見せるだけで良い」

「分かったわ」


 そう言いアリスさんは準備をしていた。周りには紫色のオーラがある。


 「ダークプリズム!」


 黒色の雷が落ち壁に穴が空いた。


 えぐい威力だな。


「これが私の全力よ!」


 そう言うとエドさんは俺の方を見た。これは本気でやれと言う顔っぽいな。


 確か、こうだったな。


「ダークプリズム!」


 黒色の雷が訓練場を襲った。


 すると、訓練場の半分が崩れた。


「何なのよ!?」


 アリスさんは信じられない物を見るリアクションをしている。


「こやつは、人の魔法を見てその数倍の力を出せるのじゃ!」


 と、何故か自慢げに言っている。自分のことじゃ無いのに。


「確かに、エドが興味湧くのも分かるわねぇ」


 そうアリスさんはニヤニヤしている。


「てことは、私の治癒魔法も簡単にそれも凄い回復力にならそうねぇ」


 アリスさんは楽しみそうに話している。


「アリスは光属性と闇属性の使い手じゃ、それに治癒師(ヒーラー)のスキルがあるのじゃ!」


 治癒師か、珍しいスキルだな。


「治癒魔法を使うなら、移動するわよ!」


 そう言い、アリスさんは俺とエドさんを引っ張りその場所へ連れて行った。


 訓練場の人、ごめんなさい!!


 「エドに、アリスか!それに、そこの子が噂の子か?」


  髭の生やした強面なおっさんが目の前に現れた。そして、噂について分かるのも直ぐだ。


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