僕の嫁は龍神の嫁だったらしいです、嘘だと思っております
品画十帆
第1話 合コン
おほっ、
えぇっと、新橋は港区ですよね。
合同コンパって事は、コンパニオンみたいに超絶短いスカートをお
期待がムクムクと盛り上がり、富士山に届きそうでとても硬いです、
そうどすぇ。
〈ユウト君〉からのお誘いの電話は、クッキリと「人数合わせのために、しょうがないんだ」と
まるで受けない、完璧に受けていない、体臭が生理的に受けつけない、顔が無理ゲーで
女性陣の「グギリ」「ガギリ」と鳴る歯ぎしりが、惨敗を雄弁に物語っておられます。
えぇ、言われなくても分かってましたよ、僕の話術は
それほどまでに女性陣より無視されてしまいました、クスリとも笑わなかったですね。
たぶん、ヤバイ薬でもやっているのでしょう。
〈ユウト君〉は他の男性の参加者から、「なぜコイツを呼んだんだ」と
サンドバッグの様にゆらゆらと
「はぁー、人数を必ず合わせろと言っただろう。 それにコイツは何もしゃべらないヤツだったんだ。 お前は昔から訳が分からないけど、人前ではカタツムリのように沈黙していたじゃないか。 頭を強打するような出来事があったのか」
「そうでしたかね。 ただ言われるように、頭と腰をグラインドさせるハッピーな事はありましたよ。 最近ようやく結婚することが出来たのです。 頭はつられて動いちゃうんです」
「えぇー」
「う、うそだ」
「きもいー」
「嫁はメス河童なんでしょう」
口をパカッと開けたまま待機をしておられます、そこにさっき
「ペッ、ペペッ、コイツ何をしやがるんだ。 汚いだろう。 俺はカエルじゃねぇぞ」
食虫人間ではなくて、単にカエル顔だったようです、そう言えば
「ごめんなさい。 ヌメッとしていたので、手が
「はぁー、手が滑ってどうしてこうなるんだよ」
「まあ、そのことはもう良いじゃないか。 俺は食べてねぇし。 それよりもお前、本当に結婚したのかよ」
「はぁ、全然良くねぇよ。 ハエを口に入れたことを、土下座して謝れ」
「お前、結婚しているのに、合コンに参加しても良いのか。 それは浮気って言うんだぞ」
「いやいや、コイツの場合は浮気じゃないと思うな。 違うメス河童がいなければ、浮気が成立出来るはずがない。 人間の女じゃ無理だろう。 コイツには飲食代を多めに払う役割しかないはずだ」
「えぇー、多めに払うとはどうしてであります。 おかしいですね。 キッチリコックリ、そこは割り勘でしょう。 不正は狐がつきますぞ」
「まあ、それは後回しで、今のところ良いじゃないか。 それよりもお前、誰と結婚したんだ。 〈カパリン〉って言う名前なんだろう」
おぉー、〈カパリン〉とは愛らしいお名前だ、ぜひそのメス河童との合コンを
ぜひとも〈カパリン〉と、キュウリを
「残念ですが〈カパリン〉とは違うのです。 名前は〈とわ〉と申しますぞ。 超絶美人でありますな」
「はぁー、超絶美人って、良く言うよ。 お前の嫁が美人のはずがないだろう」
おぉっと、僕は思っていたより信用があるな、誰も結婚したことを嘘だと思わないんだ。
自分が結婚したと言っても、僕は絶対に嘘だと確信するぞ、結婚出来るような男じゃないからな、んー、だったら僕は結婚していないのか。
逆に自分が結婚していないと言ったら、僕は本当だと確信するのか、そう思うかも知れない、時々僕は嘘をつく男だからな。
「あぁー、僕は結婚しているのかしてないのか、どっちなんだよ」
「うあぁ、何だよ。 急に訳もなく叫ぶな。 お前が自分で結婚していると言ったんだろう」
「お
いつのまにか、妻の〈とわ〉が目の前に立っていた、真っ白なワンピースを着た姿は、いつもどおりとても綺麗だ、
ハワイのワイキキビーチで、水着を着た〈とわ〉と、グヘェヘヘェ、
「お前様、お返事は」
「ひぃ、〈とわ〉、ごめんよ。 はい、分かりました。 もう大声は出さないから許してちょうだい」
「うふっ、冗談ですよ。 大切なお前様を投げたりはしませんわ。 ヤル時は
「はぁー、それは良かった、一部良くないけど、マジで寿命が無くなると思ったよ。 それにしても、どうしてここへ来たんだい」
「ちょっと困ったことになったので、家に帰って来てほしいのです」
あれれ、黙って家を出て来たのに、どうして僕がここにいるのが分かったんだろう、どこかにGPSでも付けられたのかな。
そう考えたら、背中の方から四角くて白い紙が、ハラハラと舞い落ちてきた。
大きな雪の欠片のようだ、それとも千切れたトイレットペーパーか、ホルダーが回ってくれないと、紙がブチブチに
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