昇格は早いけど珍しい能力があれば当然のようです

俺は薬場ギルドにいる。理由としては2つある。1つ目は昨日ヒースイに調合してもらったポーションを売る為だ。2つ目は瓶を幾つか買う為だ。その為に俺は中に入った。


「久しぶりじゃの!」

 シン婆が挨拶してくれた。

「ごめん、全然来れなくて!」

「お主のポーションはまだ20本程あるから大丈夫じゃよ」


 最近来れていなかった事を謝るとそう言ってくれた。


「売れてないんだ」

「光癒ポーションは元々高いがプラスとなるともっと高くなるからのぉ」


 確かにそうだな最高級品なんだ。そう簡単に売れると思わない方が良い。


「まぁ数ヶ月来なくてもギルド破棄とかないからまた安心して修行してきな」


 この世界はそうなのだ。何もしなくても一度何かしたら破棄はないのだ。俺は光癒ポーションプラスを売っているので破棄はもうない。


「ありがと、それより売りたいのと買いたいのがあるんだけど」


 そう俺が言うとストイムからいくつかのポーションを出した。


「結構あるのぉ」

 

 色々みていた。


「お主、フィニティを使ったのか?」

「うん」


 俺は返事をした。


「フィニティの調合には失敗している人しかいないその中で成功させたのはお主1人じゃ!」


 そんなに凄かったのか……

 

「とりあえず入れ替えるから待っとれ」


 俺が持ってきた瓶から売る為の瓶に移し替えている。


「合計で白金貨1枚と大金貨3枚と金貨3枚と白銀貨4枚だよ」

 

 凄い儲けたな。


「なら白銀貨4枚分の小瓶を買いたい」

「400個だな、持てるのか?」


 シン婆が聞いた。


「ストイムが使えるからな!」 


 シン婆は驚いていた。


「流石じゃの、ポイミティは無理だったのか?」

「多分他にも素材がいるとか?」

「その可能性はあるなお主はまだフィニティを持っておるのか?」

「一応持ってるよ」

「なら出来たら売って欲しい」

「良いよ」


 何故、ポイミティは無かったのか、ヒースイは多分ポイミンとの調合だけだった。


 スライムの水でも普通の物が出来る事が分かった。


 だが解毒ポーションが出来た。という事は他にも色々と素材があるはずだ。


 でも、ヒグレ草とは反応がなかった。これからの楽しみが増えたな。


「ギルドカードを貸してごらん」


 シン婆にギルドカードを渡した。


 シン婆は裏で少し作業をするとギルドカードを返してくれた。それを見ると驚愕した。


「Cランク!?」


 大声が出た。その声に周りがボソボソ言っている。


「嘘だろ?」

「あんな子供が?」

「シン婆も歳か?」

「それは間違っちゃいないよ!」


  シン婆が間違えてはないと言うが信じられない。


「お主の功績から言うと当たり前じゃ」

「ありがたいけど良いのかなぁ?」

「キュー!」


 ヒースイが素直に喜んで良いと言っている。


「なら良いのかな」


 やってくれた本人がそう言ってくれてるから甘えよう。


「これからは俺も役に立たないとな」

「主は既に役に立っている!『ウォーン!』」

「キュー!」


 ルリやヒースイ達もそう言ってくれた。こう言われるのは嬉しいな。


「お前達のおかげだよ」


 俺が言うとルリ達は喜んでいる。 


「もう良いか?」


 あ、薬場だったな。シン婆が確認してくれた。


「ごめん」

「気にせんでいい」

「ありがたく受け取るよ」


 俺がそう言うとシン婆は笑ってギルドカードを渡してくれた。


「そういえばシン婆ってどのくらいの鑑定が使えるの?」

「アタシは名前とその効果しか分からんよ基本鑑定はそうだと聞いておる」

「ランクは見えてないの?」

「あぁ、光癒ポーションプラスはプラスと名があったからSランクだと分かったんじゃがな」


 元々、光癒ポーションはAランクだからなそのプラスって事はSランクの可能性が高い。


 これは俺の鑑定は少し良いのか?


 ランクが高いのや色々と出来る物はそのやり方も載っている。


 なら薬場ギルドにはポーション以外にも木の実なども売っている。これは見てみるしかな。


「ちょっとここにある木の実とか見ていい?」

「構わんぞ」


 ここにある物を隅々まで見ているが中々ないな。やっぱり珍しい物は有名なのか?


 俺がそう思っているとラストになった。


「求める物はないのか?『ウォン?』」

「いや、これは良いぞ」


 ルリが聞くと俺は否定した。


      エルト

  Sランク

 精霊を見れて光魔法の上級を使える人には反応する

 精霊が封印されている石

 雰囲気はDランクだと思われる

 何これ、怖いな

「エルトを見て良い?」

「いいが、別に何もないぞ?」

 

 そうシン婆が言うが俺はエルトを持ったしかし何も起きない。


「これっていくら?」

「何か分からんから銀貨7枚としてたがお前さんだし銀貨5枚で良いよ」


 俺は銀貨を白銀貨を渡してお釣りをもらった。


「良ければ何をするか見て良いかい?」

「良いけど聞いていい?」

「何をじゃ?」

「光魔法の上級を使えて精霊が見える人っているの?」

「上級を使える者は何人かおるが精霊は誰も見えんな、精霊は200年前から見える人は減ってるしな」

「その、「まさか、あんた見えるのかい?」」


シン婆の説明に俺は返そうとしたがシン婆が質問した。


「分からないけどこの石が光魔法の上級を使えて精霊が見える人って鑑定が出てるんだよ」

「アタシのでも精霊が封印されてるとしかなかったがな」


 シン婆は俺の説明に自分の鑑定の事を言ってくれた。


「なら奥でやろうか、ここでやるとこれ以上の騒ぎになっては困るしの」


 そう言うと俺はシン婆に奥に連れて行かれた。


「よし、コハクよ、やってくれるか?」

「分かった」


 俺はエルトを机に置いた。


「ハイライル!」

「本当に使えるとはな」


 シン婆は驚いていた。しかしハイライルは有名な回復魔法だ。初級のライル、中級のライールの上位互換である。


 エルトは少し光ったが何も起こらない。


「やはり無理か」

「シン婆はエイルって魔法知ってる?」

「知ってるが最高魔法じゃないか」


 そうだ。エイルは上級魔法だ。ハイエイルは名前的に存在しそうだが存在しない。


「まさか、使えるのか?」

「エイル!」


 シン婆の言葉を無視して俺はエイルを使った。


 エルトは光って飛んだ。


「なんだ!?」

「キュー!?」


 驚いているのは俺だけじゃない。シン婆は唖然としている。


「君たちが封印を解いてくれたの?」

「そうだがお前は誰だ?」

「僕はエルトこの石に封印されていた精霊かな?」

エルトと話しているがシン婆は不思議な顔をしている。

「コハクは見えるのか?」

「うん、見えるよ」


 俺はそう答えた。


「アタシでも見えないのだから凄いの、やはりお主がCランクはもう少し上げた方が良かったかの?」

「まだ、2回目だからそれで十分だと思うが…」

「まぁ、今度上げようか」


 俺の呟きにシン婆はそう返した。


「この話を聞いているとそこの君が僕を助けてくれたんだね」

「まぁそうなるのか」

「そうしかならないね」

「何で封印されていたんだ?」

「分からないんだよ」

「分からない?」

「あれは今から200年前の事だよ」


 精霊が見える人が少なくなってからか


「精霊は何故か殺されてたんだよ、多分人間には魔物を扱ってると思ったみたいだけど」


「実際はどうなんだ?」


「そんな事してるわけないじゃないか!僕達は魔物だと種族関係なしに全ての魔物に見えるから仲良いだけだからね!」


 なるほど、勝手な勘違いで殺されたのか。


「僕以外の精霊はそのせいで騎士団に殺されたでも守ってくれと人がいてその人と少し暮らしていたんだ」

「だけどその人の家にまで騎士団は来たからある約束をしたんだ!」

「名前は分かるのか?」

「ゴルって鍛冶屋だよ、ダメダメだったけどね」


 ドワーフは350年生きれるらしいから年前だとそんな良い言葉はないのか。


 ドワーフは長年生きられるからそんなに成長はしないのかなそれともエルとからするとなのかそれは俺には分からない。


「シン婆、ゴルルさんの鍛冶屋ってこの街にあるよね?」

「確かにあるがお主行くのか?」

「うん、エルトが会いたいみたいだしね」

「あいつは硬いからな会ってくれるかは分からんぞ?」

「僕はそれでも行きたいな!」


 エルトが言うなら行ってあげないとな。


「行ってみないと分からないから行くよ」

「最近は孫とか弟子に自身が認めている者以外の物は任せているらしいからお主が言ってもそ奴らの対応かもしれんぞ?」


 それは困るな。俺が悩んでいるとシン婆が口を開いた。


「アタシがコハクに手紙を待たせてやろうシン婆からの手紙といえばアイツも話してくれるじゃろう」

「ありがとう!」


 俺はお礼をした。


「また、ポーションを売ってくれるとありがたいのぉ」

「分かった、また出来たらよるよ!」


 俺はそう言うとエルトやルリ達と薬場ギルドをでて鍛冶屋に向かった。


 シン婆の手紙のお陰なのは俺らだけの話だった……

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