最初の魔物が強いのはチートあるあるか
父と母が出かけていていない。俺と姉妹だけだ。
「せいぜい言い訳を考える事ね?」
「姉貴もな!」
「狂ったのかしら?私があんたなんかに負けるわけないわよ」
姉はそう笑っていた。
俺は自身の能力を試してみたいのだ。神様から貰った能力がどれ程強いのか……
「私はお姉ちゃんを倒して欲しいなぁ……」
「それは無いから残念ねぇ!」
リンカの呟きに姉のエリカはそう返した。まぁ、結果は俺も分からない。これ以上いても言い合いは終わらないので俺は部屋に戻った。
「家族ではないしやはり気のせいか」
家の中でさっきの様な視線は感じなかった。気のせいだと思い自分の部屋に戻った。
4月だが少し暑かったから窓を開けた。
「誰かみてるのかー?」
そう叫んでみた。
「我の視線に気付いたのか」
金色の狼が佇んでいる。
うちの家は1階なので普通に見れる大きさだ。
「そりゃ見てたら何か感じるよ」
「気配は消していたはずだ」
「だから不思議な感じだったのか」
俺の中で納得がいった。
「何で見てたんだ?」
「普通の者とはオーラが違うのだ」
「普通の者って何?てかあんた誰?気配消したとか強い奴しか言わない台詞っぽいけど」
気になっことを全て言ってやった。
「我は、ゴールドフェンリルである!」
「は!?」
俺は驚いた。何故ならゴールドフェンリルとはこの世界では伝説の魔物だからだ。
「何で伝説であるお前がこんな所にいるんだ?」
「散歩がてらに森の外を見ると我みたいな魔物でも恐怖を感じるオーラだったので本人を見に来たのだ」
伝説でも恐怖ってどんぐらいなんだよ。神様よ、どんな能力を付けてくれたんだ?
「で、どうするんだ?」
「どうするとは?」
「あんたでも恐怖なんだろ?」
「あぁ」
「俺を殺すかのか?」
伝説でも恐怖なら普通の魔物はそれ以上に恐怖だ。森の守り神と言われるぐらいならその可能性はある。
「何故殺すのだ?」
「伝説でも恐怖なら他の魔物も恐れる可能性が考えられる。そうならない様に守り神のあんたが俺を殺すのが普通だろ?」
「そんな事するわけないだろうそれに我は守り神ではない」
守り神はただの言い伝えだったのか?
「単に何もしていない魔物を狩る者を注意しているだけだ」
「聞いてる話だが結構怪我している人が多いみたいだがそれは何でだ?」
「誰も聞いてくれないのだ!だからこの身を使って教えているのだ」
そうか、テイマー以外は魔物の声は誰にも聞こえない。説得も何も出来ない。
「それはすまない!」
「お主に謝る理由はないが?」
「魔物を狩るのは俺らみたいな人間だろ?」
「その通りだ」
なら謝るのは当然だろう。罪の無い魔物を殺すのは可笑しな話だ。
魔物は人間と同じで生きてるのだ。例えば人間を殺したや他の魔物を殺しているなどの魔物は別として普通に生活している魔物を狩るのは変だ。
「罪の無い魔物を殺したのは我々人間だ謝るのは当然だろ?」
ゴールドフェンリルは笑い出した
「お主は面白いなしかしお主は何もしていない謝られても困る」
言ってる事はもっともだ。
「それもそうだなでも俺もそいつらと同じ人間だ だから少しでも謝罪の気持ちはある」
「お主は魔物を何だと思うのだ?」
「その魔物の生き方によるな」
「生き方とは何だ?」
「魔物は何をして生きているかだ」
「何をして?」
「あぁ魔物が人間や他の魔物を殺しているなら狩るのも仕方ないが何もしていない魔物を狩るは意味が分からない」
ずっと思っていることを答えた
「魔物だって俺達と同じ生き物なんだただ楽しく生きていて何もしていない者を俺達の勝手な理由で殺すのは可笑しな話だ」
「それが理由かな」
ゴールドフェンリルの質問にそう答えた。
「ふっ面白い人間だな」
ゴールドフェンリルは鼻で笑いそう言った。
「我はお主を気に入った!」
「気に入られる事はしていない」
「外に出ろ」
ゴールドフェンリルは俺を威圧していた
「何するんだ!?」
「我の威圧にに耐えられるのか」
外に出た瞬間に何故か圧が出してきたから驚いた。だが俺は魔力を使い威圧をし返てみた。失敗したがな。
何故か森の木が何本か折れた……
神様よ、少し注意してこれはやばいわ!
「流石は我が認めた者だな」
「何故、威圧をした?」
敵意が無いはずの俺に威圧をするのが謎だ
「我を操れるのか出来るのか試したのだ!」
「操る?」
「あぁテイマーなら誰しもがやる事だろう?」
「確かにそうだな」
なるほど……そう言う事か!テイムするのには魔力が必要なのだ
大体の人は多くても4匹までなのだ。それ以上すると魔法も使えなくなる可能性が高い。それは魔物により魔力が違うからだ。
大抵のテイマーは魔法は少ししか使わない事や魔物自体が魔法を使える為に多めにテイムする人が多い。
魔法を使う人は弱いと言われる魔物を数匹か逆の強いと言われる魔物を1匹しかテイムしない。
魔物の威圧を返すにはそれ以上の魔力を使わないといけないのだ。
それを考えると俺の魔力はどれ程あるのか?
「先程の威圧は我の全力だ それに耐えて威圧で返すとは並の者でも難しい技だ」
「それにあの森の木もおるのだ我の数倍以上はあるに違いない!」
「そんな力は出してないがな」
「ふ、ハハハハハハハハハハ!」
俺の言葉にゴールドフェンリルは大笑いしていた。
「やはり、お主しかいないな」
ゴールドフェンリルは俺の目の前にちょこんと座った。
「我の名前を決めよ!」
名前か……
「性別はあるのか?」
「一応は雌だ」
女の子っぽい名前が良いな。俺は数分考えていた。
「ゴールドフェンリル ……あっ!」
「思いついたか?」
「ルリなんてどうだ?」
俺はそう聞くと頷いた。
「ルリか、良い名だ!」
良かった。気に入ってくれたみたいだ。
「よし、これから我はルリ!」
「お主の従物だ!」
ルリは元気よくそう言った。しかし家での説明と説得が大変だな……
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