動物好きはチート能力をもらって様々な魔物にも愛されています 〜何故か従物が異常に強いからって主は弱いと思われています〜
スノウキラ
動物を愛してたら良い事もある
「どこだ、ここは?」
俺は目を覚ました。
「ここは生と死の間だよ!」
翼の生えた猫が立っていた。
「ありがとう!」
猫は頭を下げていた。
「何が?」
俺は疑問に思った事を口にしていた。
「君、速高琥珀くんは僕たちの子孫を守ったんだよ!」
「僕たちって1匹しか居なかったけど」
猫の言葉は変だった。
確かに今喋ってる猫っぽい動物を助けたが一匹だけだった。だから不意に言葉が出た。
「いや、君は何回も動物を助けてるじゃないか」
いや、俺は至る所で動物を助けていたのだ。
例えば捨てられた犬や猫の餌をあげていたのだ。
俺は大学生で妹が動物アレルギーの為に飼えないのだ。
その為、餌だけ与えていたのだ。時には引かれそうな動物を助けた事も多々あった。
「今回はトラックって事もあって当たりどころが悪かったね」
「君は今回で動物を助けた回数が1000回目なんだ!」
「おめでとう!」
猫がクラッカーを何個も鳴らした。
「実感がわかないしあんたは誰なんだよ?」
俺の質問に猫は笑っていた。
「僕は動物界の神様だよ!」
「動物界?」
猫の答えに俺は疑問を持った。
「俺は人間だが人間界の神様はどうしたんだ?」
「そう!君が死んだら人間界の神がその後をやるんだ」
「何で動物界の神様がやってるんだ?」
神様はふふふと笑いながら説明を始めた。
「それはね、さっきも言った通りに君は動物を1000回助けてるからそのお詫びとかねて転生させてあげようと思ってね」
でもそれは俺にとってはありがた迷惑な話なのだ。
「いや、要らない」
神様は不思議そうに聞いてきた。
「なんで?」
「今なら最強にしてあげるし色々とつけちゃうよ?」
「俺は別に死んでも良いからな」
俺の答えに益々神様は不思議そうだった。
「死んだら何もできないよ?」
あれ?地獄に行くんじゃないのか?
「地獄は今、定員オーバーなんだ!」
定員オーバーって何したんだよ!
「殺人集団が自殺したせいで閻魔がお怒りなんだよ……それに動物界には地獄はないんだ」
「あと、ごめんだけど僕は人間界に余り関与してないから君の選択肢としては異世界だけだね!」
「俺は人間だけど動物界と関係あるのか?」
不思議に思ったので質問をした。
「君は助けすぎたんだよ!」
「助けすぎた?」
「そう!それで動物界の皆は君を受け入れているんだよ!」
神様の答えに俺は迷惑だと思った。元々俺の親は放任主義だ。妹を大切にしていたから俺なんてどうでもいい存在だったからだ。
だから俺はこのどうでもいい世の中から去りたいと思っていた。どうせ異世界に行っても俺の扱いは変わらないだろう。
「君の扱いは変わるよ?君の生き方によってね?」
「そんな嘘はいらない!」
「嘘じゃないよ、その為に君に色々と能力を上げるんじゃないか!」
てかチートになったって性格が変わる訳じゃない。それに何もしなかったら良いだけだ。
「それはそうだね、、、言っておくけど別に僕は君が何もしなくても良いんだよ?君が本当にやりたい事をやればね!」
「本当にやりたい事?」
「親とか誰かに言われたんじゃなくて君自身がやりたい事をね!」
そうだった。親が基本的に何もしないせいで俺はやる事は自分でしていた。妹の分は親がするが何故か俺の分はしてくれなかったのだ。
大学生の今なら分かるが小学校高学年ぐらいからなのでそこから家事を始めるよになった。
その結果、何故か殆ど家族全員分の家事を俺がやるようになった。
やらないと怒られるようにもなった。
妹も俺がやるのが当たり前と思う様にもなっていった。
その為に友達と遊ぶ時間も削られるのだ。
だから俺は何も出来なかった。
「動物達と触れ合いたい……」
俺の言葉は涙と一緒に出ていた。
「この世界はファンタジーの世界なんだ!だから動物は難しいけど魔物になら愛されるよ」
何と嬉しい事だろう。
ファンタジーなら魔法も使えるのだろうか?
「しっかりと魔法も使えるよ」
「さっきから思ってたけど何故俺の考えている事がわかるんだ?」
「神様だからね!」
神様には感謝だな。
しかし俺に魔法は使えるのか?
まさかその世界で産まれてないから使えないという可能性も考えないとな。
「そこは大丈夫だよ!」
「全属性使える用にしておくからね。」
これはありがたい!
「全属性ってどのくらいあるんだ?」
「炎、水、風、氷、雷、闇、光、無の合計8属性だね。凄い人でも3属性までだね」
完全にチートだな。それにしても無って皆が使えるとばかり思っていたな。
「この世界は少し違うんだよ!無の魔法は1番難しいとされる魔法だからね」
「なるほど……」
向こうの世界では知識不足にならない様にしないとな。
「基本の知識は分かるようにしてるから大丈夫だよ」
「ほんとに何でもお見通しだな」
俺は鼻で笑っていた。
「後は君の好きな様にしてね?」
好きな様にか……
どんな事があるのか楽しみだな。
「あ、そうだ!職業が分かるようになる儀式の日からになるからよろしくね!」
「わかった」
俺は久々にワクワクしていた。
「じゃあ僕はここまでだよ……
琥珀君!君の運命に幸あれ!!」
そこで俺の意識は途絶えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます