勇者よりも転職した仲間のほうが強くなる不完全な転職システムのせいで俺のパーティーはボロボロだ
れいてんし
_
「勇者……いえ、フレッサ。貴方には今日限り仲間から抜けてもらいます」
「なん……だと……!?」
明日には世界を脅かす魔王が住むという城へ突入。
そのタイミングで仲間から俺に告げられたのは突然の解雇通告だった。
故郷の村を離れて約3年。
辛いことも苦しいこともたくさん有った。
そんな苦労を共に分かち合って乗り越えてきた仲間だ。気心は分かっているつもりだったが、何故そんなことになるのか?
「どうして急にそんなことに?」
まるでわけも分からず、解雇通告を告げてきた仲間の神官、ジェーンに尋ねた。
あれ、今は神官じゃなくて賢者なんだっけ?
いや、違う。賢者になったのはディーヴァでジェーンは今は武闘家なんだっけか?
いや待ってくれ。
みんな転職しすぎて今は誰がどの職業なのかさっぱり分からん。
「まどろっこしいのは嫌いだから、ハッキリと言うぞ。お前は弱い」
そう言ったのは子供の頃からずっと仲が良かった麦農家の息子、レイフだ。
「俺が……弱い……?」
俺達は15歳で成人すると、神から適職というものを与えられる。
幼馴染のレイフは戦士。
王都で仲間になったジェーンは神官。
最初は敵だったが説得して仲間になったディーヴァは魔法使い。
そんな感じで職業が与えられるのだが、俺に与えられたのは「勇者」というよく分からない職業。
職業が与えられた時に。村全体……否、遠くの王都から使者がやってくるくらいのお祭り騒ぎが発生した時のことは忘れない。
どうやら、勇者というのは100年に一度、神から直々に与えられるという奇跡の称号らしい。
神から与えられるという称号だけあって、勇者という適職の効果は絶大だった。
今まで剣も握ったこともないし、ろくに勉強もしてこなかったみかん農家の息子である俺が突然、神に与えられた聖なる技を使いこなせるエキスパートとして覚醒したのだ。
最初は意味が分からなかった。
何故、俺が勇者なのか?
何故、幼い頃から英雄譚に憧れていて、将来は英雄になるという言っていたレイフではなかったのか?
それでも、神に選ばれたという俺にしか出来ないことがあり、救えない人が大勢いると聞いて、ここまで頑張ってきたのだ……。
あれ、今になって何故そんな話をしているのか?
それだけ俺が混乱しているということなのか?
「確かに旅を出て最初の頃はお前は凄かった。どんな敵も『なんか剣の先から出るビーム』で一撃で倒していた」
「ああ、『なんか剣の先から出るビーム』は圧倒的だからな」
「なんか剣の先から出るビーム」とは、勇者だけが使える「必殺技」というものらしい。
その名の通り、必殺技の名前を叫びながら剣を振り下ろすと、その剣の軌跡に沿って閃光が発せられて、それに触れた相手はまるで剣が直撃したかのように切り裂かれるというものだ。
流石に呼びにくい上にカッコ悪いので何かもっと別の名前をつけようと思ったのだが、太古の昔から伝わる預言書に「なんか剣の先から出るビーム」と書かれていたらしくて、大司祭とかいうえらい人から、その名前以外を名乗ることが禁止された。
なのでずっとその名前のまま、ここまで来た。
「だが、魔王の城へ近付くにつれて敵が強くなり、お前のビームでは敵を一撃で倒せなくなってきた」
レイフの言う通りだ。
最初こそは勇者こそが使えるという「なんか剣の先から出るビーム」を当てるだけで、どんな敵でも真っ二つになっていた。
だが、最近は魔王軍の連中に「なんか剣の先から……」と言っている辺りで攻撃されて、ビームの発動を中断するという対策を取られるようになってから、まともに当てることが難しくなってきた。
途中で早口の練習や、魔王軍の連中に聞こえないように小声でボソボソと言ってから突然出すということも練習してみたのだが、どうもうまくいかない。
そのため、最近は仲間と協力して乱戦で倒すという状況が続いていた。
「それで、お前と一緒に敵と接近戦で戦っている時に気付いたんだ。お前ってビームを撃たなきゃ弱くないかって」
「えっ?」
まず俺が攻撃を仕掛けるが、当然のように避けられる。
ただ、それで敵はバランスを崩すので、その隙にレイフが切りかかり、ジェーンの格闘攻撃で追い詰めてディーヴァの強力な魔術でトドメというのが定番だ。
あれ? もしかして俺はほとんど役に立っていないのか?
「いや、お前は強いよ。そこらの冒険者や騎士よりも桁違いには強い。だけど、この先に進むにはその強さでは足りないんだ」
「でも、お前達もそこまで強くなかっただろう。俺が抜けたらそれこそ魔王の側近と戦う力は……」
「確かに昔の俺達はお前ほどの力はなかった。だが、今は違う!」
レイフは拳を革手袋がギュッと鳴るくらい強く握りしめた。
「それを可能にしたのが旅の途中で手に入れた転職システムだ」
「確かにお前たちがあれで、定期的に職業をコロコロ変えていたのは知っているが」
通常は成人の日に神から与えられた職業は変えられないとされている。
だが、旅の途中で立ち寄った神殿で、特殊なアイテムを捧げることで、自分の適職を好きな職業に変えられる奇跡を行使出来るという話を聞いた。
もちろんメリット以上にデメリットも大量にある。
転職を行うと、今までの鍛錬で得られた力は半分になってしまい、何年もの成長を一からやり直さないといけないという話だ。
それに、転職するためには貴重なアイテム……それこそ、平凡な一般人ならば10年は働かなくても暮らせるくらいの金額で売買されている物を破壊しないといけないために、一般人には縁のないものだった。
俺達も、色々な事件があり、教団や大司祭を信じられなくなっていたジェーンが神官を辞めると言い出さなければ、そんな転職システムなど目もくれなかっただろう。
実際、魔法使いに転職した直後で体力や筋力などあらゆる能力が半減したジェーンを護りながらの戦いはとても辛かった。
その後にジェーンが育って、まともに戦える頃になると、魔法使いが被っても仕方がないからとディーヴァが転職し、それから何故かレイフも転職した。
それからは気がつくと3人の職業がコロコロ変わっていた。
あまりに頻繁に変わるので、今ではもう誰がどんな職歴を辿って、現在の職業が何なのか全くわからなくなっていた。
「お前は勇者だから転職出来ないということで、説明しても仕方ないと思っていたが、今、説明しよう」
「説明って何だよ?」
「実は転職はすればするほど強くなるという話だよ」
「どういうことだ?」
「成人の日に与えられる適職には最低値があるのは知っているな?」
レイフは勿体ぶった説明を始めた。
もちろんそれは知っている。
そうでなければ、ただのみかん農家の倅である俺が突然に人間よりも強大な力を持つ魔王軍と戦えるわけなどない。
「それで、転職すると、今の能力が半分になるという話も知っているよな」
「それも知っている。能力半分はデメリットが大きすぎると言っていただろ。ジェーンみたいに特別な例は仕方ないとして」
「だから、それが誤解だったんだ」
「えっ?」
俺は素っ頓狂な声を上げた。
誤解とはどういうことなんだ?
「転職後の能力は、今の能力の半分に適職の最低値がプラスされた状態になる。つまり、その時点で常人よりも相当強くなるんだ」
「例えば、今のお前の能力は力6、素早さ6、体力6だとする。これで転職すると3、3、3になる。これは分かるな」
「もちろんそれは分かる」
「その上で戦士の最低値が力3、素早さ2、体力4だったとする。戦士に転職した時の能力は?」
「そりゃ半分になるから力1.5、素早さ1、体力2なんじゃ」
俺がそう言うと、レイフは首を横に振った。
「違う。元々の数値の半分になった値が適職の最低値にプラスされる。だから、力6、素早さ5、体力7だ」
「いや待て。もとより強くなってるじゃねえか」
「その上で鍛えると成長して強くなる。もちろん体力が元々少ない神官から魔法使いの転職だと、体力に関しては相当減って苦しいだろう。だが」
「分かった。もう説明しなくていい」
レイフが言いたいことは分かった。
この3人は転職を頻繁に繰り返すことで基礎能力を爆上げして、常人を……そして勇者である俺を超える能力を身に付けたのだ。
「普通の人は転職に必要なアイテムを一生かけて1つ手に入れられたら良いところなので、こんな単純なことに気付けなかったんだ。もちろん、こんな転職システムを用意した神もだ」
「でも、俺達は魔王軍と戦う勇者パーティーだ……」
「そう、あちこちの古代遺跡に潜ったり、あちこちの町から宝を集めまくったモンスターと度々戦闘して、貴重なアイテムを集めまくることが出来た」
「つまり、想定の回数以上の転職をしてしまった。それこそ神の想定を超えるくらいに」
レイフは無言で頷いた。
「俺も……いや俺達3人はお前を嫌いになったわけじゃない。お前に傷ついて欲しくないから、ここで別れると言っているんだ。分かるな」
理屈は分かる。
だが、感情では理解出来ない。
この3年間、一緒に戦ってきた仲間じゃないか。
なのに、なんで俺だけ置き去りにならないといけないんだ。
「安心して欲しい。お前の代わりの仲間は既に見つけている。ヴォルターだ」
レイフがそう言うと、真っ黒な甲冑を身にまとった男が姿を現した。
年齢は俺達と同年代だろうか?
「ヴォルターも何回も転職を繰り返して強力な力を手に入れた仲間だ。お前が抜けた穴になってくれるはずだ」
「フレッサさん、はじめまして。ヴォルターです」
「はい、初めまして」
ヴォルターは俺に爽やかな笑顔を向けてきた。
俺も挨拶を返す。
「このヴォルターさんはどこに知り合ったんだ?」
「ディーヴァの紹介だ。昔に付き合っていたらしくて、今はよりを戻したといいうことだ」
「えっ?」
完全に初耳だった。
ディーヴァは美しい女性だ。
以前から俺に気の有るような素振りを見せていたので、そのうち告白されるのではと密かに期待していたのだが、全く何もなくておかしいと思っていたが、既に付き合っている男がいたということか。
確かにそれでは俺の入り込む余地などないはずだ。
「昔に付き合っていたというのは?」
「2年ほど前になりますね」
「えっ?」
俺がディーヴァを説得して仲間に入れた後の話だ。
一体どうなっているのか?
何故俺には何の話もなかったのか?
「だってフレッサは私が色々なアプローチをしたけど興味なしという感じだったでしょ」
その話題のディーヴァは俺に残酷な真実を告げてくれた。
「えっ? ディーヴァからそんなことされたっけ?」
「もう止めてやれよ。こいつは童貞だから、直接言葉で言われないとわからないんだ」
「えっ?」
レイフが何故か俺に追い打ちを仕掛けてきた。
何故なのか?
お前は親友ではなかったのか?
「もしかして、その分だと俺とジェーンが付き合っているということにも気付いていなかった?」
「えっ?」
「えっ?」
……終わりだ。
ジェーンから戦力外通告を受けた以上にショックだ。
何故、俺の知らないところでこいつらは
なんで俺だけ1人余っているんだ?
絶望で全てが真っ暗に見えた。
何故、俺だけがこのような仕打ちをいけないというのだろうか?
神よ教えて欲しい。
勇者とは何なのか?
何故、俺は神に選ばれた人間のはずなのに世界を救えないどころか、このような仕打ちを受けているのか。
「俺達は明日の朝には出発する。だからお前は故郷の村に戻っていて欲しい。魔王を倒して世界を救ったら、必ず戻るから」
俺は絶望のあまりに、そのレイフの優しい言葉を受け止めきれなかった。
ただ、草原の上で四つんばいになり、ひたすら泣き続けていた。
◆ ◆ ◆
いつの間にか朝になっていた。
かつての仲間達は日が昇る前に旅立ったらしく、もうどこにもいなかった。
荷物などもほとんど持ち去られており、残っているのは最低限の野営の道具のみだ。
金だけはパーティーの総資金の1/2ほどが残されている。手切れ金も含めたつもりだろうか?
残された俺はどうするべきなのかと自問自答する。
冷静に考えると、ただ、転職を繰り返すという反則技を使いまくった仲間達が強くなりすぎただけで、別に俺が弱くなったわけではない。
「なんか剣の先から出るビーム」も、当たればほぼ敵を一撃で倒せるので、むしろ強いまで有る。
ただ、必殺技の名前が長すぎて、言っている間に攻撃を中断させられるだけだ。
つまり、この必殺技をちゃんと出して当たることさえ出来れば、俺はまだ戦力外通告を出されるほど弱くはない。
いくら仲間達が強いと言っても、魔王軍を倒して魔王の下にたどり着くにはまだ2ヶ月以上はかかるだろう。
その間に、俺も転職を繰り返した仲間に負けないくらい強くなって追いつけば良いのだ。
「やってやる、やってやるぞ!」
それから、俺は近くの山に籠もり、必殺技の訓練を開始した。
重要なのは必殺技の長さとカッコ良さだ。
それさえ改善すれば、俺はまだまだ強くなれる。
毎日の時間の大半を必殺技の連呼と素振りに費やした。
なるべく速く言い切り、そしていかにカッコ良く決めるか。
どんどんと修行のアイデアが湧いてくるので、それを次々と実行する。
全ては強くなるために。
それから二ヶ月後、
修行を終えた俺は魔王の住む魔王城へ向けて1人旅立った。
◆ ◆ ◆
「馬鹿な、強すぎる……」
レイフ達は魔王の側近相手になすすべがなく追い詰められていた。
人類最強レベルの魔法を連発してディーヴァやジェーンの魔法を寄せ付けない。
それでいて、接近戦も恐ろしいまでの速さと正確さ、そして腕力でレイフやヴォルターが赤子のように扱われる。
レイフは何回もの転職で人間にしては限界に近い力を手に入れた。
だが、初戦は人間。
最低値も最大値も高い高位も魔族相手である魔王の側近には届かなかった。
不完全な転職システムだけで対抗するのはあまりにも無謀だったのか。
「人間にしてはかなり強いようだが、初戦は我々魔族には遠く及ばない」
「それでも俺達が戦わなければ、人類の平和は取り戻せない」
「それが無駄な努力だ!」
魔王の側近が異形の刀をレイフに振り下ろして、トドメを刺そうとした時にそれは起こった。
突如として降り注いだ閃光が魔王の側近の右腕ごと、その異形の刀を消し去った。
「みんな、待たせたな」
魔城の大広間の扉を破壊して閃光を放ったのは、2ヶ月前に別れたはずの勇者フレッサだった。
「お前、なんでここに来た……お前の力じゃ無理だ」
「そうだな。確かに2ヶ月前の俺ならばダメだったかもしれない。だが、それは昔の話だ」
「なにっ」
「しゃあ!」
フレッサは気合の声と共に剣を構え直した。
「人間の上限がどうせ同じなら、無理に転職を繰り返さなくても、普通に鍛えてもいずれ到達するところは同じだと」
「どういう意味だ?」
「転職を繰り返した奴に負けているなら、追いつくまで鍛えたら勝ちってことだ。喰らえなんとかビーム!」
フレッサが激しい修行の末に獲得した新必殺技「なんとかビーム」が魔王の側近の全身を消し飛ばした。
「フレッサ……まさかこれほど強くなったとは」
「『なんか剣の先から出るビーム』を『なんとかビーム』に短縮するのに少し時間がかかっちまった」
フレッサは倒れているレイフに手を掛けて起こした。
同じようにジェーン、ディーヴァも起こしていく。
あまり面識のないヴォルターについては少し悩んだが、ここで仲間外れにするのは良くないと思ってついでに起こした。
全員が転職を繰り返したと言うだけ有って、各々が回復魔法を掛けて傷を癒やしていく。
「よし、全員が回復したところで魔王を倒すか」
そういうレイフにフレッサは頭を振った。
「その必要はない。お前たちは追放だ」
「どういうことだ?」
「お前達はその強力な能力を活かせる技を持っていない。転職をあまりに短期間で繰り返してフィジカルでゴリ押しする戦法を覚えてしまったせいで、戦闘で使える技をおざなりにしてしまった」
フレッサの指摘にレイフ達が動揺した。
「そんなバカな……」
「でも、確かにそれはある。普通の魔法よりも殴ったり蹴ったりした方が強いから」
「それはある」
「いらないわよね、適当に石を投げるだけでも強いし」
ディーヴァの言った言葉に一同は顔を見合わせた。
「それだ」
◆ ◆ ◆
「ついに人間たちがここまでたどり着くとはな」
魔王は侵入者を迎え撃つべく玉座から立ち上がった。
そして開いた扉の向こうにいる勇者たちに――
「痛っ……」
魔王が身構えるより先に、恐ろしいほど速い速度で石が飛んできた。
ただの石で傷つくほどやわではないが、それでも当たれば痛いものは痛い。
扉の向こうで4人の人間が大量の石を抱えて次々と投げてきた。
ただの人間とは思えない恐ろしい速さで石を投げてくる。
「おい、やめ、やめろ。セリフを……セリフを言わせて」
「魔王は怯んでいる。どんどん投げろ!」
レイフ達の投げる石は最初は魔王に傷一つつけることが出来なかったが、石の上にもなんとやら。
ダメージの蓄積なのか、段々と魔王の皮膚に赤いあざが出来始めた。
「効いているぞ。もっと投げよう!」
「おい、やめろ。こうなったら魔法で迎撃を……だから魔法を使わせて」
魔王が何を言っても無視で容赦なく投石が飛んでくる。
「なら止めよう」
レイフの合図で全員が石を投げるのを止めた。
「世界を救うトドメの一撃は勇者って決まっているもんな!」
「ああ!」
フレッサが1人前に飛び出し、剣を構えた。
「来たか、勇者。だがお前の弱点は――」
「――なんとかビーム!」
魔王が何か言うより先にフレッサが構えた剣の先から閃光が発せられた。
だが、流石に魔王だ。
側近のように一撃で滅びることなく、閃光に耐えてみせた。
「はい、なんとかビーム! なんとかビーム! なんとかビーム!」
そこへフレッサがビームの連射を始めた。
必殺技の名前が短いからか、一撃の威力は「なんか剣の先から出るビーム」程ではないが、単語の文字数が短い分だけ連射が効くのが最大の特徴のようだ。
連続で必殺技を受けた魔王はもはや立っていられないほど傷付いていた。
それを見たフレッサは大きく剣を振りかぶる。
「その状態ならば、流石に途中中断は出来ないだろう!」
「やめろ!」
「なんか剣の先から出るビーム!」
一際大きな閃光が魔王を包み込み、完全消滅させた。
「なんだか分からんがヨシ!」
◆ ◆ ◆
斯くして、悪は滅び、人間の平和は正義の勇者とその仲間達との活躍で救われた。
勇者の仲間達は国王からその功績を認められて、貴族の称号を与えられて王都で優雅な暮らしを送ることになった。
そして勇者は……故郷の村に戻り、みかんを育てている。
勇者が育てたみかんは、酸味と甘さを兼ね備えたみかんであり、一等品はデパートで箱詰めされて高価な値段で販売。
それ以外のB級品は庶民でも手に入れやすい価格で販売されて、たいそう喜ばれたという。
勇者よりも転職した仲間のほうが強くなる不完全な転職システムのせいで俺のパーティーはボロボロだ れいてんし @latency551
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