その手は危険だ！

その手は危険だ！

　保育園のお迎えで、二階に上ると、同級生のＵちゃんと、お姉ちゃんと、お母さんとすれ違った。

教室に着くと、Ｒくん（息子）はまだ、体操服を着ていた。制服への中々進まない着替え…何とか……着替えた！と、思ったら慌ててジャケットを羽織らせて前のボタンは開いたまんまで、荷物をかっさらい、二階の廊下を急いで下った。

一階の玄関に着くと、先ほどのＵちゃんたち三人がまだいた。そこで、Ｕちゃんが声をかけてきた

「Ｒくん、駐車場まで一緒に手をつなごう！」

　と、Ｒくんの左手を握りしめた！

私は何となく今まで引っ張っていた右手をそっと離した。そこから五人で駐車場まで向かった。

するとＵちゃんのお母さんが

「Ｒくんワイルドな着方しとーね〜」

　と、声をかけてきた。

「こうでもしないと、中々帰れなくて（汗）」

　と、返した。そこから駐車場まであっという間に着いた。

「またね〜」

　と、お互い挨拶をして車に乗りこんだ。

私は内心、いや〜最近の女の子って積極的！少なくとも、私は引っ込み思案だったので、四歳で同級生と、手をつないでとはいいだせなかっただろう！

ひゃあ〜〜！と、私が色々と考えている間に、車の中でケロっとしている息子Ｒくんは、お決まりの左手の親指をおしゃぶりしていた。

「きったな！あんた、そっちの手おしゃぶりしよるほうで手つないだん？」

　と、聞いた。

「うん。」

　と、悪びれる様子もなく無邪気に返してきた。

チョット、嫉妬しそうになったけど、Ｕちゃんに汚い指でゴメンね〜と、申し訳ない気持ちになった。

男の子はまだまだおサルさんなのである。