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私は幼い頃、団地に住んでいた。
優しい両親に育てられ何不自由なく大人になった。.....はずだった。
自営業の父の仕事が傾き始めたのは私が小学生後半の頃。幼いながらにも家庭の不穏な空気は感じ取っていた。
でも何故だかわからないけれど母はずっと専業主婦だった。夫婦協力して立て直そうとは思わなかったのかな......
私が中学生の頃、学校から帰ってエレベーターに乗った際に風貌からして怖い人と一緒になった。
私が自分の階のボタンを押してもその人は目的の階のボタンを押さなかった。
その人は私と同じ階で降りて私の後ろをついて来た。
私は怖くて仕方なかったけど、真っ直ぐ前を向いて自分の家を通り過ぎ突き当たりにある階段まで歩いた。そこで隠れながらそっと見ると、その人はうちのインターホンを鳴らしていた。
少し離れた場所から見ているから声は何となくしか聞こえなかったけど、玄関のドアを激しく叩いたり蹴ったり。
私の家のドアは開くことなくその人は諦めて帰って行ったけど、おそらくあの人は父の借金の取り立ての人だったんじゃないかと思う......
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