ダストの足跡 -世界ではじめてシニガミが撃破されるまで-

ミリノユウキ

序章

第1話 世界の常識


「人生終わった……」


 一度は皆、冗談で口走ったことがある言葉だろう。


 でも、本気で思ったことがある人は、どれくらいいるだろうか。


 俺は読み上げられた自分の名前を聞きながら、生まれて初めて本気で思った。


 ああ、人生終わった……


――――


「諸君は国民の義務である徴用期間を、早くも半分終えた。

 来年からは、本格的に実地任務がはじまる」


 来年度へ向けてのありがたい言葉を、俺たちは黙って聞いていた。


 アリナゼル国民の義務である徴用期間を過ごすために、集められた同世代。


 俺を含む3年目を終えた教育生は、広大な屋内訓練場に集まっていた。


 俺は他の同期達と共に、表面上は規律正しく立って話を聞いている。


 だが、実際は寝不足と緊張からくる吐き気に、懸命にあらがっていた。


 ……クソッ、昨日は結局ほとんど寝ることが出来なかった。

 なぜなら俺は今日、死刑宣告を受けるかもしれないからだ。


 これはよくある彼女を怒らせたとか、課題を忘れたとかで使われる冗談の死刑ではない。


 正真正銘、一つしかない俺の命がかかったものだ。


 まわりの同期達は、話を聞きながら明日以降の期末休暇や、来年度のことを考えているだろう。


 だけど俺には、そんな余裕がない。

 今日を生き延びることで精一杯なのだ。


 俯いているとますます吐き気が迫り上がってくる。

 仕方なく、視線を壇上で話す学長へ向けた。


 覇気のある声で俺たちに語っているのは、オーウェン・アゲート学長だ。


 長年、第一線で戦い続けてきた経歴を持つ、この徴用校のトップである。


 年齢は五十前後のはずだが、筋肉質のガッシリとした体型を維持しており、紺の礼服を着こなしている。


 まさにエリートといった感じだ。


「私たちの最重要資源、"イドラ鉱石"の採掘量は、毎年減り続けている。

 皆、配給されている鉱石分の働きをして、社会に貢献するように」


 そう言いながら、オーウェン学長は自分の首につけられた白金色のチョーカー、"チャージリング"に触れ、俺たちを見渡した。

 

 学長が身につけているチャージリングは、この場にいる多くがつけている黄色いリングとは違う、輝くような白金色をしている。


 周囲の同期達が、欲望の眼差しでそのチョーカーを見つめているのが分かる。


 周囲のその視線を見て、俺は徴用校に入った時のことを思い出していた。


 あの時も、学長は同じ場所で俺たちに話をしていた。


 俺も周りの同期達と同じ眼差しで、あの白金色のチョーカーを見つめたものだ。


 たが、今の俺はそんな眼差しを向けることさえできない。

 俺は自分の首についている灰色のチャージリングを呪い、ただ死を回避することを願っている。

 

「知っての通り、先日までの試験成績は来年度からの任務にも影響する。

 今から発表する優秀者は、未踏領域でのイドラ鉱石探索も業務に組み込まれるので、準備するように」


 俺が震えているのは、この試験が国で一番有名な伝統あるものだからだ。


 徴用期間の3年目に発表される試験の成績、別名エーテル・スコアは人生の一大イベントである。


 この成績順位は今後の序列として一生ついてまわり、ことあるごとに尋ねられる。


 そして、来年度以降の配属や、職業選択に大きな影響をあたえるのだ。


 だから皆、徴用3年目に実施される総合試験でいい成績を取ることに必死になる。


 命をかけていると言っても過言ではない。

 

 周囲は皆、固唾を飲んで成績優秀者の発表を待っていた。


「第一位 フエゴ・サンストーン」


 静まりかえっている訓練場で、名前が呼び上げられた。

 軽いざわめきが起こったが、あまり大きくはない。


「やっぱりそうか」

「名門のサンストーン家だ。さすがだな」


 周りから、予想通りであったことがうかがえる言葉が聞こえてくる。


 名前を呼ばれたフエゴが、喜びを顔に出さず壇上へ上がった。


 赤みがかったオレンジ色の髪が目立つ。

 俺から見てもかっこいい男だ。


 超名門のサンストーン家出身であり、同期で群を抜いた成績。

 この場の全員がヤツを知っている。

 

 この結果は誰もが予想していたことだろう。


「第二位 エリカ・セレスタイト」

 

 つづいて、やや大きなどよめきが起こった。

 

 爽やかなミディアムヘアの美人が壇上に登る。


 外から差し込む光で、髪の先についた水色のアクセサリーが輝いて見える。

 

 普段なら、うっとりと見つめてしまっているかもしれないが、今日の俺にそんな余裕はなかった。


 ただ、容姿と成績の両方を手に入れているこいつらは、何の悩みもないのだろうという恨みのような感情だけ、漠然と頭に浮かんいた。


「第三位 メイソン・スピネル」

 

 続いて、角ばったメガネをかけ、キッチリと背を伸ばした男が階段を上る。

 特に笑みはなく、淡々としていた。


 自分がこのタイミングで呼ばれるのを、疑っていなかったような表情だ。

 

 学長に名前が呼び上げられた成績優秀者たちが、一人ずつ壇上に並んだ。


 3人はオーウェン学長と同じ白金色のチャージリングを首につけている。


「この3人は"エーテル燃焼レベル"が白金パールに到達していている。

 例年は一人か二人なので、この結果は賞賛に値するだろう。

 彼らの努力を讃えよう」


 今年は3人が優秀者として該当したらしいが、ほぼ予想通り。


 燃焼レベルが白金パールに到達した人間は、一躍有名人となる。


 今年の同期で到達しているのは3人。ここにいる全員が名前を知っているだろう。


 だからこそ皆、白金パールを目指して毎日頑張っているのだ。



 世界中に充満している物質である"エーテル"。


 俺たち人間は、これを体内の燃焼器官で精製することで、エネルギーを得ることができる。


 燃焼レベルが高いほど強力になるため皆努力するが、ほとんどは燃焼レベルの2段回目、黒硫黄サルファレベルを越えられない。


 ほんの一握りが白金パールレベルまで進み、その名の通り白金色に輝くエネルギーを使うことができるのだ。


「クソッ…まだチャンスがないわけじゃない」


 壇上に上がった3人を見つめる皆の顔からは、悔しさがにじみ出ていた。


 白金パールとそれ以下では、社会での扱いが全く異なる。


 数年後には、3人がここにいる教官や職員のほとんどよりも、立場が高くなっているのだろう。


 それほどまでに、エーテル燃焼レベルは重要だ。


 得られる報酬と絶対的な立場の差、

 一目でわかる輝くようなチャージリング、

 そして、周囲から受ける願望と尊敬の眼差し……


 エーテルの燃焼レベルが上がる可能性がある期間は、俺たちの年齢であと数年程度と言われている。


 だからほぼ能力が確定するこの時期の試験が、とても重視されているのだ。


 周囲の皆は、自分が白金パールまでたどり着けていないことに、焦りがあるようだ。


 たが、俺にとってはこの発表はどうでもいい。


 エーテル燃焼レベルが最低の"灰塵ダスト"である時点で、呼ばれない事は分かりきっている。


 むしろ、この後の発表を固唾をのんで見守らなければならない。



 壇上のフエゴが代表として一言求められると、冷めた目をして口を開いた。


「……俺が目指してるのは真紅ルビーだ。

この程度、別になんとも思っていない」


 一瞬で周囲がざわめく。


真紅ルビーって言ったか!? 今!!」

「流石サンストーン家。すげえ勇気だな」


 オーウェン学長は視線をフエゴに向け、話を続けた。


「君の勇気を讃えよう。

あの"アルバート・ハートリード"以来となる真紅ルビーレベルが、この徴用校から生まれる事を期待している」


 俺には関係がないことを、学長が話しているのを呆然と聞いていた。


 世界中でわずか数人だが、白金パールレベルの先、最終段階の燃焼レベルまで到達する者も存在しているのは確かだ。


 真紅ルビーと呼ばれる、鮮やかな赤色のエネルギー。


 一人で国家バランスに影響を及ぼすとまで言われるが、その希少性ゆえに未知の部分が多いらしい。


 アルバート・ハートリード……


 懐かしい名前だ。


 彼は真紅ルビーレベルに到達した人物で、この国では伝説のような人物だった。


 俺が生まれた時にはすでに死んでいたが、それでも歴代最強の真紅ルビーとして、話題に上がることが度々あった。


 俺も幼い頃は目を輝かせて、彼のような存在になりたいと願った。


 だが……現実は残酷だった。


 俺のエーテル燃焼レベルは一向に上がらず、灰塵ダストのまま。


 俺は最低レベルで徴用期間の3年目を終えることになった。


 この年齢を過ぎて、灰塵ダストが成長した事例は少ない。

 もはや絶望的だろう。


 徴用期間が始まった当初は、話をする程度の仲間もいた。


 しかし、俺の燃焼レベルが上がらないことを悟ると、徐々に離れていった。


 当然だ。

 能力が上がらないのは自己責任。


 灰塵ダストに構っている余裕など、皆ないのだから。


 とにかく、気がつくと友人と呼べる存在は、誰も残っていなかった。


 徴用期間が始まってから3年。


 過去を振り返ってみても、良い思い出が全くない。

 燃焼レベルが低くてバカにされ続けた日々……


 俺は、左胸の燃焼器官を抑えながら、過去を思い出していた。


 ああ……このタイミングで走馬灯のように過去を回想するのはまずい。

 本当に死の直前になってしまいそうだ。



「次に、今年の要貢献対象者を発表する」


 ……来た。


 周りの視線が、俺の灰色のチャージリングに集まった。


 この徴用3年目の成績には、ある伝統が存在する。


 最下位の者は、東の果て、最前線の未踏領域に一人で派遣されるのだ。


 危険なエーテル燃焼生物が支配している、人類にとって開拓できていない領域での鉱脈探索。


 それは、期待されている成績優秀者の業務とは異なり、ほぼ確実に命を落とすような内容になっている。


 付け加えると、最下位になる奴はエーテル燃焼レベルが必然的に低い。


 結果、危険生物が生息する未踏領域で、生き残ることは不可能だ。


 この伝統は、結果に対して自身で責任を取るという国の考えで……


 まあ、分かりやすく言えば、確実に死ぬ方法で"間引き"されるのだ。


 最下位だけは絶対に避けなければならない。

 

 しかし、俺は数少ない灰塵ダストレベル。

 可能性は高いだろう。

 

 成績の大部分は、燃焼レベルが影響するのだから……


 昨晩は、この発表に怯えて寝付くことが出来なかった。


 確実に伝統に選ばれることがわかっている人は、前日に逃亡することも多いらしい。


 俺も逃げ出したかったが、黒硫黄サルファレベルにたどり着けていない灰塵ダストは数人いる。


 まだ俺が最下位と決まったわけじゃない。

 その可能性に賭け、吐き気と戦いながらもここに立っている。


 頼むぞ……なんとか俺以外であってくれ。


 周囲の教育生からも、先ほどの発表時より張り詰めた空気が漂う。

 

 昨日から寝れていない所為か、左胸の鼓動がとても大きい。


 自然と手が震え出す。


 一瞬の静寂が……とても長い。


 そして--



「--ヒツギ・シュウヤ」


 ワァッと、今日一番のざわめきが起こった。


 周りの視線が一斉にこちらを向く。


 一部はニヤついた顔で、他の大多数は好奇心に満ちた目で俺を見つめている。


 終わった……


 ついさっきまで大きかった鼓動は、あまり感じなくなった。


 手足が冷たいような痺れているような、そんな感覚を味わいながら、俺はただ動けなかった。


「ヒツギ・シュウヤ、前へ」


 再度、俺の名前が呼ばれた。


 周囲のニヤついた奴らに押し出される。


「残念ながら、結果の責任は自分で取らなくてはならない。

 名誉回復の業務を与えるので、しっかり社会に貢献すること」


 学長が何か言っているが、全く頭に入ってこない……

 集まった学生や職員から、再び拍手が起きる。


 周囲の盛り上がりとは別に、俺はひたすら俯いて震えていた。


 この場の全員がわかっていることだが、これは死刑宣告だ。


「明日から翌年度までの30日間、指定の未踏領域に侵入して鉱脈の探索を行うこと。以上」


 オーウェン学長から発せられた簡潔な死刑宣告に、俺は何も言い返すことができない。


 これからどうすればいい?


 えっ、本当に死ぬのか?

 俺が?


 頭の中で何度も同じような考えが、浮かんでは消えていった。


「これにて、今年度の教育期間を終了する。

 各自、来年に向けて準備するように」


 学長は俺に構うことなく、今年度の終わりを告げる。

 そして職員と共に訓練場から出ていった。


「ああ、やった……助かった!」


 最下位を免れた奴らは、自分が助かったことを実感し、安堵の感想を口走っている。


 その他の奴らも、"比喩でない死"が確定した俺に、好奇の視線を向けてくる。


 動けず立ち尽くす俺に、横から声がかった。


「まあ自己責任だから、しょうがないよな!

 鉱脈の発見、期待してるぜ!」


 そこそこ好成績の同期であるトールが、軽快に俺の肩に手を置き、笑顔でそう言って去っていった。


 数えられないほど見てきた、悪意のある、人をバカにする笑顔だ。


 俺は普段なら、何もせずただ見送ったはずだ。


 だが、この時は惨めな気持ちと、

 どうしようもない絶望感、

 そして、味方が誰もいない悲しさで……


 気がつくと俺は、後ろから殴りかかっていた。


 しかし、俺の拳はそいつの体の表面で止められる。


 薄い黒い影に、黄色い粒子が混じったエネルギーが、俺の拳を防いでいた。


「お前から手を出してきたから、これは正当防衛になるよな?」


 そう言うと同時に、トールは黄色い粒子を纏った手で俺を軽くはたく。


「ウッッ!!」


 その瞬間、俺は勢いよく吹き飛び、壁にぶつかるまで転がることになった。


 軽くはたかれただけで、面白いように吹き飛ばされる。

 エーテル燃焼レベルの差は残酷だ。


 トールは、壁際で小さなうめき声を上げる俺を見下ろしながら続ける。


「頑張って社会に貢献しろよ。

 もう遅いかもしれないけどな」


 ムカつくほどに嫌な笑みを浮かべて去っていく背中を、俺はただ見つめることしかできない。


 今までは震えていただけだったが、急に涙が溢れてきた。


 ……っ!


 このまま、何も出来ずに!


 馬鹿にされながら、人生を終えるのか……っ!


 ただ、エーテル燃焼の才能がなかっただけで!!


 悔しい……。

 死が決まった恐怖よりも、ただ悔しい。


 なぜ俺が死ななければいけないんだ。


 あんな嫌な奴より、俺は社会に貢献できていないのか?



 俺は…………生きている価値がないのか?




 悔しくて涙を流す俺には誰も声をかけず、皆室内訓練場から去り始めていた。




「しょうがないよね。誰にも必要とされてないんだもん」


 去っていく誰かの話す声が、耳に入った。


 誰にも必要とされていない……

 呆然と、その言葉が頭に響き続ける。


 俺は、誰にも……




 その時、外から悲鳴のような声が響いた。



「--シニガミだ!!!」




 その声を聞いた途端、一瞬で全員が恐慌状態になった。

 声が聞こえた方向と反対側の出口に人が殺到する。


 皆エーテルの燃焼を開始し、ほぼ全員が薄い黒と黄色のエネルギーを身に纏って出口に押しかける。


 外で"シニガミ"の出現を示す鐘が、激しく鳴り出す。


 悲鳴が聞こえた方向から、黒いベールで薄らと人型の輪郭が見えるものが入り込んできた。


 場所が入り口ではない。

 壁をすり抜けて入ってきたようだ。


 大柄の人間より、さらに大きく見えるその存在は、滑るように移動する。


 そして、あっという間に近くの教育生へ黒い手のような物を伸ばした。


 その教育生は、突然のことに足が固まり、動くことができていない。


 一瞬黒い手に触れられたように見えたが、何も起こらず、その存在は離れていった。


「……っ!」


 その教育生は、弾かれたようにその場を離れ、出口へ向かう。


 その存在は、近くにいる逃げ遅れた教育生に、触れては離れる行動を繰り返していたが、何も起こった気配はない。


「っギャアアアアアアア!!」


 しかし、ある教育生が触れられた瞬間、地獄の底からうめき出すような悲鳴が上がった。


 胸を押さえ、床で激しくのたうち回る。


「ァ……ァ」


 苦しむ動きが緩慢になると共に手足にしわができ、顔は百歳を超えた老婆のように萎れていく。


 そして……動かなくなった。


 その教育生は俺も何度か見たことがあった。


 美人で、成績もかなり高かったはずだ。


 それを見た周りの教育生達は、恐怖で悲鳴を上げ、完全な混乱状態に陥った。


 俺は逃げなければならない事は分かっていたが、なぜか目を離すことができなかった。


「こっちに来るなァァ!」


 男子教育生の一人が、近くにあった職員用の椅子を投げつける。


 だめだ……。皆わかっている。


 こいつは全ての物体を


 案の定、全く足止めにもならず、投げつけられた椅子を


「……っ!」


 手が届く距離まで迫られたその教育生は、黒と黄色のエネルギーを纏わせた足で、その存在へ蹴りを放った。

 しかし、それも全く効果がなく、何も存在しないかのように空を切った。


「っギャアアアアァアア」

 そして、黒い手に触れられた瞬間、先ほどの教育生と同じく胸を押さえ、床に倒れた。


 激しく床で暴れて苦しんだ後、老人のようにしわが生まれ、そのまま動かなくなる。


「ッグァァァァァァッ!」


 何人かの苦しむ声が立て続けに聞こえて来た。

 次々と触れられた教育生の一部が倒れていく。


 混乱を続ける現場に、戻ってきたオーウェン学長の声が響く。


「落ち着け!

 訓練通り、全方向に散って退避しろ!」


 その声に反応し、近くの壁を蹴破って出て行く教育生が増えた。


 先ほど表彰された白金パールの教育生や職員でさえも、恐怖に怯え必死に逃げている。



 その存在は、それから何度か教育生に接触したが何も起こらず、地面に沈むようにして消えていった。



 危機が去り、程なくして鐘の音が消えて静まり返る。



 静まり返る訓練場。

 次第に、周囲から嗚咽が聞こえ始めた。


 俺はただ茫然と座っていただけだが、今回は狙われることがなかったようだ。

 周囲を見渡すと、座り込んだまま動けない人が散らばっている。


 ああ……理不尽だな。

 明日死ぬことが決まったからなのか分からないが、俺はなぜか冷静だった。


 シニガミと呼ばれるこの存在は、歴史上で誰も倒すことができていない。


 どんなに力があったとしても、真紅ルビーレベルでさえ逃げることしかできない。


 世界中に多数出現し、人間の最大の死因となっているが、果たして生物であるかさえ分からない。


 しかし、一つだけはっきりしている。


"シニガミを倒すことはできない"



 そう。この時はまだ、それが世界の常識だった。




 

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