第十四話『カコの声』
朝。
洋館。
外壁は、
ベッドの上。
「ぁん……元ちゃん、好きぃ……」
「……」
片手に
白い丘が、
「なに、もういっちゃった? これで……何回目かな?」
男は、
紙
その一方で、動けない
息切れの音は、耳をすませねば、聞こえてこない。
〈昨日朝七時半頃、××市立
「ねぇ……テレビ、けそ?」
象の鼻は、
その
やがて
◯|◯|◯|
「
それから程なくして……
佳子の妊娠が発覚した。
佳子はとても喜んだ。
◯|◯|◯|
壁に
ピッ
((((えーっ、またぁ? もう私たち、小四よ? 二分の一成人よ?
それは、
((((いいから、やろうよ?))))
ミキヒトの声。
その言葉は、ミキヒトの、一度やると決めたら、譲らない性格を表している。
((((あ、そうだ
佳子の声。
それは、釘を刺すような声に聞こえる。
ポチ ポチ
ポチ ポチ
ポチ ポチ ピッ ピッ ピッ
((((◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎私たち◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎もう成人よ?
((((いいから、やろうよ?))))
((((◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎やるならあそこは無しよ?◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎洗面所◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎))))
「あははははははは! 『洗面所で』、かぁ。いいなぁあああああああああ!!!!!! あはははハハハハハhahahahaかカカカカかへへへへへエ"エ"エ"エ"」
未来人は、笑う。
「あ、もう、
未来人は、
薄膜に映像。
[
[その後で
薄膜から音。
(((((吸う音)))))
(((((舌なめずりの音)))))
(((((
(((((元ちゃん、好きぃ……)))))
ピッ
(((((◼︎◼︎◼︎、好きぃ……)))))
ピッ ピ ピッ
ピッ ピ ピッ
ピッ ピ ポチ ピピピピピ
薄膜と装置から音。
((((((((((美樹仁、好きぃ……))))))))))
「いいねぇ! かわいいねぇ!」
未来人は、満足した。
◯|◯|◯|
古めかしい洋館。
寝室には乳児用の
母親が、子を抱き抱えている。
一年一ヶ月の子供。
まだ言葉も話せない女児。
母親はその女児を、彼女自身と亡くなった夫の
しかし誰も信じてくれない。
周りの人間は、夫婦仲良く
薄膜から音。
〈〈〈〈〈 超越中学校焼死体遺棄事件より約二年が
「ゆいなちゃあん、いいこね…………でも、おへんじは?」
母親の問いかけ。
子は、
「ギャハハ」
と、笑って返す。
「………………まだできないのね」
母親は子の頭を
薄膜から引き続き音。
〈〈〈〈〈 ──上下は"
「ゆいなちゃあん…………『まま』っていってごらん?」
母親は、子に問いかける。
子は、口を開いた。
「なぁーいなぁーい」
子は、続ける。
「いなぁいいなぁい……ばあー」
子は、そう、初めての言葉を発してから、口元に横倒しの三日月を浮かべた。
〈〈〈 弁士による納め口上『現在・過去・未来』へ 〉〉〉
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