第十二話『2049:佳子を巡りて』
〈〈〈 二〇四九年 秋〈〈〈
倉庫のコンクリートの壁のすぐそば。
向かい合って立っている。お互いの距離は、
男子児童。
佳子の桃色の
元三の、子供にありがちな
一拍置いて……
二人は近づき合う。
唇どうしが触れ合う。四つの桃色が一点に集まり、まるで
二人がこのような行為に
そんな二人を眺める美樹仁は……
まだ
恋人たちは……
仙人のような冷静さを帯びている独り者は、目の前の発情した
…… 。| 。……
ファ~レド♪
ファ~レド♪
……。
音。
それは、切り株に腰掛ける美樹仁から聞こえてくる笛の
お名前シールには、
(ないいんかこ)
とある。
ファ~レド♪ ファ~レド♪ ファ~ソラドララソファソ♪
ド~ドラ♪ レドラッファッソ~ラレドファ♪
演奏を終えた美樹仁は、リコーダーを、
そしてボソボソと早口言葉のように、
「これで
と呪文のように
リコーダーを再度組み上げ、
それを筆のように持って、
亀の頭のような筆先を、
砂利の地面に当てがい、
走らせた。
(((((
地面には、そのように、
そして……
〈2069〉の『0』の
中指で、しかも手のひらを上にして、少しほじくって、
仕上げに……
リコーダーを吹き口の方を下にしてグリグリと
直立させた。
〉〉〉第十三話『2069:騎乗』へ 〉〉〉
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