第3話:アクセサリー
彼は某大学院でメタバースの研究をしている若手ホープなの。
そちらにいる彼女は国際弁護士で、そうそう朝の情報番組のコメンテーターとして出演されているのよ。
こちらの方は、今を時めくWEBデザイナーで有名なビルのデジタルアートを手掛けていらっしゃるの。
彼女のそばにいる方々はキラキラと輝きを放つ大きな宝石みたいで、思わずあとずさりしてしまうほどのオーラをまとっていた。
彼らの存在が彼女をより輝かしてくれる「人間アクセサリー」ともいえる。
煌びやかな舞台のスポットライトから
彼女を愛おしそうに見つめており、てっきりファンなのか、はたまたストーカーなのか・・・・。
目立たないけれど、どことなく高尚なたたずまいをしており、宝石で例えるなら・・・・そう、オニキス(
パーティーも終盤、彼の事がとても気になっていたので、彼女にそっと訪ねてみた。
「あの隅に立っている男性はお知り合いの方なの?」
私はてっきり、「知らないわ、あんな地味な人」と答えが返ってくるものだと思っていた。
「彼?ふふふ・・・私の何よりも大切な宝石よ」
「オニキス!!」
思わず発した言葉に、私は慌てて右手で口元を覆った。
「オニキス・・・そうね、まさにオニキス(
ちらっと彼の方に視線を向ける彼女は、いつものきりっとした美しさとはまた違った、内からあふれ出る幸せオーラが更に彼女を輝かせていた。
彼女にとって彼はどんなアクセサリーをも、はるかに超えるかけがえのない逸品なのだと感じた。
オニキス(
迷いのない眼差しで彼女を見つめ、見守る姿は・・・彼そのものだった。
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