第2話 可能性の扉を開ける

思い込みを突破するためには、まずその思い込みに気づくことが大切だ。気づくことさえできれば、次のステップとして「試す」ことに進める。試してみることで、意外な発見が生まれるからだ。


ある時、私は友人に誘われて陶芸教室に参加した。絵を描くのも不器用な私が、粘土を扱うなんて無理だろうと思っていた。「手先が器用じゃない」「形を整えるのが難しそう」と、始める前からできない理由を並べていたのだ。しかし、友人が「うまく作る必要なんてないよ。楽しめばいいんだから」と言ってくれたおかげで、気楽な気持ちでスタートすることができた。


実際に手を動かしてみると、粘土の感触が思いのほか心地よかった。そして、不恰好ながらも完成した湯呑みを見て、自分の中にあった「不器用」という固定観念が少し崩れるのを感じた。完璧ではないけれど、「やってみたら意外と楽しい」という新しい気づきが生まれた瞬間だった。


思い込みを解くために有効なのは、以下の3つの方法だ。


1. 思い込みを言語化する


自分が無意識に抱いている思い込みを言葉にしてみる。「私は不器用だから陶芸は無理」「人前で話すのが苦手だからプレゼンはできない」といった具合に具体的に書き出すだけで、その思い込みがただの先入観に過ぎないと気づくことがある。


2. 小さな挑戦をしてみる


いきなり大きな挑戦をするのではなく、小さな一歩を踏み出してみる。例えば、人前で話すのが苦手なら、少人数のミーティングで意見を言ってみるところから始める。成功体験を積み重ねることで、自信が生まれる。


3. 他人の視点を取り入れる


自分が思い込んでいることを他人に話してみると、意外と「そんなことないよ」と否定されることが多い。他人の視点を通じて、自分の思い込みが無意味であると気づける。


挑戦の結果が成功するかどうかは重要ではない。大切なのは、挑戦することで「自分の中の可能性」に出会えることだ。やってみなければ、可能性があるかどうかすらわからない。思い込みを解く第一歩は、「どっちかわからないからやってみる」という姿勢にある。


陶芸教室での体験は、思い込みを乗り越える楽しさを教えてくれた。自分で決めつけていた限界を少し超えた先には、必ず新しい発見が待っている。その発見が、小さな成功でも大きな成長へのきっかけになるのだ。

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