第2話

タンコブを頭に2つも作りながらも、ご機嫌にクレープを食べる正義。



それを見ながら、もう本当に精神が磨り減る前に帰ろうと決断したアリス。



一方その頃、診療所。



「この子が光愛かー!!めっちゃ可愛いじゃん!!」



「だろー。天使だよな」




診療所に四季が来ていた。




「俺も抱っこしていい?」



「良いが、慎重にな、大事にな」



「光愛ー。四季おじさんだぞー。お前のご飯は俺が作ってやるからなー」



「食事は安泰だな、光愛」




そう言って、剛が光愛の鼻をチョンッとつつくとフニャッと光愛が笑う。




「あっ!笑った!」



「天使」



「ところで父親は?正義はどこ行った?こんな可愛い娘を残して」



「アリスと一緒に凪沙に会いに行った」



「凪沙に!?ってか、アリスと正義を二人にして……」



「……言うな」




行かした後にそれに気付いた剛。




「大丈夫か?どちらかが……死ぬかも」




というか正義が。




「……バカお前そんな……。あり得るよな」



「バアちゃん呼ぶ」



「頼む」








戻って街中




「アリスちゃん。そんな眉間にシワ寄せて、美人が台無しだよ」



「誰のせいや。誰の」



「はい。これでも食べて笑って?」



「これでもって、食いかけやないか」



「良いでしょ。僕達、姉弟なんだから」



「上手いこと言って、飽きたんやろ」



「…………」



「はぁああああああああああああ…………」




アリスはクレープを受け取り、またしてもデッカい溜め息。



正義の相手でもう疲れているのに




「あの二人モデル!?美男美女のカップルだね!!」




なんて周りから言われる始末。



誰がカップルや……。


ホンマもう萎える……。



鉛のように重たい足を引き摺るようにして歩きながらヤケクソとばかりにクレープを食べ……




「うまっ!!」




疲れた体に甘いクレープは大変美味しかった。




「って、どこ行くねんっ。このアホ!!」



「え!?え!?あっちで良い匂いが……」



「食い物から離れろっ!!」



「わー!!拳骨は止めてよっアリスちゃ」












「待てよっ!!」



「「!!??」」




突然上がった大きな声に、聞こえた人達は何事かと足を止める。



この二人も例外なく。



そして



「「何何!?キム◯ク!?」」




ワクワクと声を揃えて言う、この二人は間違いなく息の合った姉弟であった。

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