第15話 守護



 カンの事務所で3名の男達が座らされて、後ろから抑えつけられていました。



アシメの男「・・・兄貴!勘弁して下さい!自分が間違ってました!!バキョウの兄貴にやれと言われたんです!」



金髪の男「兄貴!!俺は本当に何も知らされないまま!やらされました!!こんな事になるなんて思わなかったんです!!」




ドレッドの男「知らなかったんです!!」




カン「何が兄貴だこの野郎!!あいつにやれと言われて!!その場でどうなるかわかんなかったのかおまえらは!!他にだれが関わってんだ!・・・・バキョウの携帯からお前らの動画が出て来た!!」




 各地でバキョウとマンダの一件に関わった者の狩りが始まっていました。「バキョウの乱」は首謀者のバキョウとマンダが周りを錯乱させる為、下部組織(下請けのようなもの)まで手が及んでおり、捜査がかなり難航していました。バキョウの侵攻がもし、もっと具体的なもので公になっていたら、きたのは討たれていたかもしれません。



 きたのに呼び出され、にしま、みなみ、ハクの3人は以前行った「DORA」のVIPルームに開店前の浅い時間から集まっていました。




 ポンは別件が有り、今回残念ながら欠席していました。


にしま「いつ来ても綺麗だなここは・・・。落ち着くし、なんだろう。なんだったら家感もある。」



ハク「・・あれ?きたの・・・この前のパーマの人・・・・あっバキョウが居ないじゃん?どこ行ったの?休み?」



 にしまとみなみがちらっときたのを見ます。




にしま「・・・・」




みなみ「・・・・」



 笑いながらきたのは答えます。




きたの「漁師になりたいんだとや。近ごろの若いやつの考えは本当によくわからんね。本当に飲み屋から漁師になるなんてよくわからん。だんだん俺の考えが追いつかなくなってきてるのかもしれないな。・・・・まぁ、今日は好きに飲んでいってくれ。手間かけさせたなにしま、みなみ。だいぶマンダにクギ差してくれたみたいじゃねぇか。」



 2度目の来店でしたが、綺麗サッパリ、前回居た店員達は全員入れ替わっていました。



 バキョウとは顔見知りになったと思っていたのですが、期間は一瞬、別れは突然でした。




 ・・・・・・・




 ・・・・・・・




 ・・・・・・・



 港で海を眺めながら、遠くを見ているカン。




オカ「兄貴、そろそろ時間です。・・・どうされますか?」




カン「・・・3分待っててくれ。今色々と動いていて1つ分かったことがある。」



オカ「はい、わかりました。」




 電話をかけ始めるカン。




きたの「・・・おう、どうだそっちは。何か分かったか?」




カン「社長、・・・・リューの店の付近でオーラス興業上がりで商売やってる連中の店がありますが、・・・そこはどうしますか?」




きたの「あー・・・・・・あったな。そこが今回の件と関わってるのか?バキョウと繋がりがあるとかそういうことか?」




カン「具体的には調査しないとわかりませんが、部下と話した時にその店の名前を言った者が何人か居ました。なんでもかなりの情報通だそうで、うちの情報を誰かに聞いて流してる可能性が、そこには有ります。もし、今回の詳しいことがバレていたら・・・。そこから派生する勢いは持ってる店です。」




・・・・・・・・




きたの「・・・あっ思い出したわ。俺がバーをしていた頃からの知り合いだが、確かアリスってオーラスの元幹部の店だな。・・・あそこは時期が来るまでほっとけ。みなみもにしまも隠れ場所が必要だろ。バキョウやマンダについてた奴らに追っかけられた時に、あの拠点が無いとこっちが不利になるかもしれない。リューにも近場だけど手を出さないように言っといてくれ。あの馬鹿はどうせ何も考えて無くて、手出さないだろうけど。・・・あと、リューんとこもバキョウに絡んだ奴らを見つけ出すようにしっかり見張っとけよ。下部組織まで及んでる状態だ。もう誰が関わってるか分かったもんじゃねぇ」




カン「はい、わかりました。」





 ピッ!




 ・・・・・・・




 ・・・・・・・





 ・・・・・・・




スーツの男性「こんばんは。」




 暗い緑色のスーツの男性が一人、アリスの店「Fan」に入っていきました。




 長身で、左耳にピアスをした中世的な若い青年でした。




アリス「いらっしゃい・・・・ん?あんたきたののとこの?・・・リュー??・・・・・」




 座って店の準備をしていたボーイのパオが立ち上がります。




パオ「お客さんを選んでいるわけでは無いんですが・・・・こちら側はあなたに何も用は無いんですが。」




 直ぐに状況が分かったボーイのパオが店の入り口付近で直ぐにリューを通せんぼしました。



リュー「まぁまぁまぁ。突然であれなんだが・・・・ママにちょっと聞きたいことがある。少しだけいいか?本当に時間は取らない。あぁ・・・そうか・・・。金が無いと思ってんだろ?・・・ちょっと待て。(悪いけど、ボーイさんよりは遥か貰ってんだけどな・・・・。)」



 リューはポケットからチップを取り出しパオに渡そうとしました。




パオ「要りません。退出願います。」





みなみ「ん?・・・おっリューじゃねーか!最近見ないと思ったら。・・・パオ、こいつはまだ安牌だ。他の奴らじゃなくてよかった。」




 トイレからハンカチで手を拭きながらみなみが出てきました。




リュー「み・・・みなみさん?!・・・(しまったな・・・)来られてたんですね。」




アリス「見たことある顔だと思ったら、やっぱりきたののとこのだわ・・・。(でもなんで来たのかしら・・・・。)」



パオ「ですよね?・・・通して良いんですか?・・・・」




 ここでリューの携帯電話が鳴ります。



リュー「はい。」



カン「よぉ、事務所寄ってるけど、おまえ今どこ行ってんだよ?」



リュー「いや、さっき兄貴から言われたとこの・・・」




カン「は?・・・そこ行くなら俺も行くって言ってんのにゴーサイン無しで行きやがったな?しかも何故、お前自身が動いてんだ。別にロンでいいだろ。お前にとって入り込むのはお手の物だろうけど、手ぇ出すなよそこは。社長命令だ。いいか、絶対に手を出すなよ。」




リュー「・・・わ、わかりました。・・・でもどうしちゃったんですか?」




カン「方針が変わったんだ。頼むぞ。」



リュー「・・・はい、わかりました。」




 みなみは電話をするリューをジーっと見ています。



みなみ「なんか・・・最近申し訳ないな(笑)なかなか派遣入れれなくてさ。」




リュー「いやいいですよそんなの。また気が向いたら仕事場の皆さん連れてこっちにも来てくださいよ。みんな、立地が良いからって他の店ばっかり行くんですよねぇ。」



 固まるみなみ・・・・・。




みなみ「・・・えっまさかおまえ知らないのか?・・・・バキョウは・・・・」




リュー「シーーーッ!!!・・・し・・・・知らないわけ無いでしょ、一応俺も今年から幹部なんで一緒にやってるロンから詳細聞いてます。・・・ママ!ハクシュウのロック下さい!・・・みなみさんが知らないかと思って敢えて・・・言ってみただけですよ。今こっちも内部のガサ入れで大変なんですから。カンの兄貴や、オカやソウマまでそこら中で動き回ってるし、あんまそういうビックリするような名前言わないでくださいよ、みんなその事でかなり神経使ってましてね。」



みなみ「そうか、そうかもな。給料は上がったの?・・・」




リュー「はい、平からはかなり上がりました。部屋を三部屋借りてます。困ってません。」


 アリスが飲み物を持ってきました。



アリス「リュー、あんた突然どうしたのよ?あんたみたいなのが突然来て貰ったらこっちも困るじゃないのよ。・・・来るのはいいのよ、一度チーか私宛に連絡くらいしなさい。」



リュー「みなみさんが店に入っていくのが見えて、少し話すことがあったので。お客さんとして来てるんで問題ないです。声を荒げる気もないです。ほら、お金も持ってますし、足りなければこの腕時計でも売ってちゃんと耳揃えて払いますから。はははは(くっそ!何もしないなら他に仕事があるのに!まぁでも・・・たまにはいいか・・・・。オーラスから仕事貰えるかもしれないしな・・・。)」



 その場を一瞬(5秒くらい)切り抜ける事は得意な幹部でした。



 みなみとリューは二人掛けの席に移動しました。



 ・・・・・・・・・・・・・



 ・・・・・・・・・・・・・



 ・・・・・・・・・・・・・


みなみ「来ると思ったよ。」




リュー「は?」



みなみ「カンかリューのどちらかが来ると思ったよ。」



リュー「・・・・・・」



みなみ「きたのからここを調査するように言われたんだろ?」



リュー「いやぁ・・・・・」




みなみ「ここは無関係だぞ。」



 みなみは煙草に火を付けました。


 


リュー「わ、分かってますよそんなこと・・・。」



みなみ「ちなみに・・・お前は関わってないだろうな?今きたのが血眼になって裏切り者を探してるぞ。関わってたら大変なことになる。プライベートで繋がりが有ったとしても、拷問部屋行き・・・。関係なく殺されるぞ。冗談じゃない。」




リュー「・・・・・・」




ハツモト「へぇー、あなたがきたのさんとこの?」




 奥からハツモトとにしまが出てきました。



リュー「え?・・まぁ・・・。(あっ・・・この人みなみさんの上司の人だ確か。)」




にしま「きたの・・・大勢雇ってんだな。一体こういう人間が何人居るんだ・・・。」


リュー「みなみさんともたまには飲まないと、回してもらえないですからね!(笑)・・・」




にしま「君も飲み屋やってるの??」


リュー「はい、そうですよ。この後良かったら来られますか?♪ちゃんと女性もつけますから。」



にしま「社会勉強で行ってみようかなぁ♪・・・・・最近俺の中で夜のお店は盛り上がってるんだよ♪」


 リューの声を聞いて、奥から酔っぱらったハクが躍り出てきました。



ハク「あー--っ!!声聞いたらやっぱ見たことある!!・・・チーさん!この前行ったお店のチーさんと仲良しの人が来てるよー!」



チー「えっ?!・・・・ホントだ!リュー来てくれたんだね!」



みなみ「チーさんと仲良しの人ってなんだよ・・・(笑)表現が幼稚すぎるんだよあいつは・・。緊張感に欠けるなぁ・・・・。」



 チーはニコニコしながら奥の部屋からこちら側に歩いてきて、そのままリューの腕を組んで奥へ連れていきます。



リュー「おいチー!・・・ちょっと・・・今俺みなみさん達と話してんだけど・・・・。」



みなみ「モテるなぁ、リューは(笑)・・・いいなぁ・・・・・馬鹿だけどなぁ(笑)ハハハ。」



ハツモト「おい、酔った勢いでそういうこと言うな(笑)あの人は、ほんとにきたののとこの幹部か?他の連中と比べてなんかパっとしないな。ただの中性的な青年じゃないか。学生か??」




みなみ「一般向けの、安牌切る用で居るんですよ。あのタイプが。あのタイプは殆ど居なくなりましたが、最後の生き残りです。でもあいつ、かなり一般慣れしているので、あぁ見えてなかなかやりますよ。きたのと俺の評価は高いです。」



ハツモト「なるほどな・・・・。」



にしま「こっちと一緒で、色んなタイプが居るって事か・・・・。」



 ガチャ…




チー「早く早く♬」



 リューが店に入ってから、やけにチーが嬉しそうでテンションが上がっていました。




リュー「なんだよ、何するの?スリスリするなっ・・・ちょっと・・・・あっ・・・・」







 奥の部屋には・・・俺達の上司の更に上司が待ち構えていました・・・・。












 ・・・・・・・・







 ・・・・・・・・・




チュン「・・・よぉ・・・・久しぶりだな・・・。リュー。」



 一気に血の気が引くリュー。




リュー「・・・ちゅ、ちゅ・・・チュンさんじゃないですか・・・・。」




 狩りが始まった事で、危険を察してオーラス興業ほぼ総動員でこのスナック『Fan』に乗り込んでいました。



にしま「チュンさん、お酒持ってきました。入ります。」




 お盆にチュンさんのお気に入りキープボトルを載せ、入り口まで来ました。



チュン「おお、ありがとう。・・・まぁ、にしまも座れや。」



にしま「良いんですか?・・・それじゃあ・・・お邪魔します・・・。」




リュー(にしまさんまで・・・・出口塞がれた・・・・・こりゃ逃げれそうにないぞ・・・・。)




 ・・・・・・・・・・・・・・




 ・・・・・・・・・・・・・・




 ・・・・・・・・・・・・・・




 暫く無言の時間が流れました。少し笑っているように見えましたが、急に真顔になりました。



 煙草に火をつけるチュン・・・・。




チュン「・・・リューよ・・・・・・頼むぞ、お前んとこなぁ。意味分かってる?」




 最初は柔らかそうな感じはしたのですが、チュンさんの顔はマジでした。



リュー「こっちも仕事でやってて。少なからず手違いがありましてですね・・・。お楽しみの所申し訳ないんですが・・・・。」




チュン「こんな意味がない所で油売っていてもしょうがないだろ。お前の同僚やそれに付随する人間がどんどんやられてんだろ?自分のとこの人間守るようにお前が動いたほうがいいんじゃねぇのか?」




リュー「ええ、ただ飲みに来ただけですからほんとに。すぐ帰ります。あの・・・よく俺の店に来てくれるチーもここに居るし。・・・なぁチー!・・・・・・あれ?・・・もぉ居ない!!」



 チーは既にカウンターでみなみとポンと話していました。チュンの所にリューを連れて直ぐに定位置に逃げていました。



チュン「ほんとに飲みに来ただけか?・・・。他の奴らに聞いたらさ・・・カンが今だいぶ仕切ってるらしいじゃねぇか。そろそろお前とかオカみたいな若い世代の人間がしっかりしないといけねぇんじゃねぇのか。」



リュー「・・・ええ・・・確かにそうですね。」


チュン「一度やれと言われたことを簡単に覆される。上司かどうかわからんが、俺から見て、他の連中よりもお前の方が営業力に関しては上だぞ?なのにあんな小さい金にならねぇとこ任されてよぉ。世間のことよく分かってない奴らからコケにされてんだぞ。お前それ分かってんのか。」



 チュンさん・・・・リューの実力を知っているようなそぶりだな・・・・。



リュー「そ、それは分かってます。このまま兄貴におんぶに抱っこではやられた人間の二の舞いですから。」




チュン「だったら下からも突き上げる力がそろそろ要るんじゃねぇのか。やってやれよ。・・・こっちだって一歩間違ったら危なかったんだぞ今回のことで。・・・なぁ、頼むぞ。お前一応幹部なんだろ。」



 滅茶苦茶煽られてる・・・・。



リュー「・・・ええ。・・・その時が来たら俺だって。黙ってるわけにいかねぇっすよ・・・。」




チュン「・・・にしま、お前リューの店の担当だこれから。もし、女性の働き口に困っていたら、リューの店に最優先で入れるようにしなさい。」




にしま「え?俺がですか?」




チュン「そうだ。リューは若いし、これからきたののとこの会社を背負う世代の人間だ。一緒に切磋琢磨して邁進していったほうがいいだろ。それに、みなみとも親しい仲だ。やりにくいことは無いと思うけど?」



 暗かったリューの表情が一気に明るくなりました。



リュー「助かりますにしまさん!みなみさんとは俺が会社に入った頃からの仲です。社長とカンの兄貴を交えて4人で麻雀やゴルフや温泉、サウナに行ったこともあります。社長がレッサーパンダが好きなので、どこかの動物園も一緒に連れて行って貰いました。」



にしま「そうなんだ、最後のは知らんかったわ(笑)結構みんなで遊んでるんだな。わかった、これから宜しく頼むよ。」



 俺をリューの店の担当にすることで、少しでもきたのからこのアリスのお店を守ることが出来ると考えたかもしれません。



チュン「あとリュー・・・・最後にもう一つ言っていいか・・・・。」



リュー「はい、何ですか?」




チュン「店の外で待ってる連中を引き上げさせろ。お前らみたいなのが店前でたむろしてたら他のお客様が入れないだろう。」



にしま「・・・ポン!」



ポン「はぁーい!!」


 俺はすぐにポンから受け取った携帯をリューに見せました。




 店前のカメラ映像が映し出されます。ポンが昼間にカメラを設置してくれていました。



リュー「いやー参ったな・・・。久々に皆さんに会って楽しくて指示を出すのを忘れてましたよ・・・・。はははは・・・・ちょっと待ってて下さいね!!」



 血相を変えてダッシュで店の入口に向かうリュー。



 ガチャ!



 外には柄の悪い黒いスーツ姿の四人組がタバコを吸っていました。




ロン「出番ですか?」


リュー「ロン!帰ってくれ!」


ロン「えっ?!なんで?!」


リュー「いいから全員連れて帰れ!流局だ流局!」


ロン「わっ、わかりましたよ!」


リュー「フリテンだ!フリテン!」


ロン「やられとるじゃないですか!まぁ・・・それをいうなら任せて良いって事ですね?知り合いの店って話でしたもんね。」


リュー「どうでもいいから、任せろ俺に。」




 店からパオが出てきました。




パオ「あの、迷惑なので来るならママに連絡後にリューさんが単独で来てもらえませんか?他のお客さんびっくりされるんで。別にあんたらに恨みは無いんですが、こっちも正当な活動でやってますんでね。」


リュー「もぉ大丈夫。部下を帰らせたんで。(しまったな・・・こいつの言う通り調査だけだし、ほんとに一人で遊びで来ればよかった。オーラスの社員がほとんどいるじゃねーか・・・。なんて嗅覚が優れた連中なんだ・・・・)」



 ほろ酔いのみなみが店の中からマイクで叫びます。


みなみ「おい、リュー!・・・何、お前出たり入ったりやってんだ!S○Xみたいな事するなよ!!それよりカラオケしようぜ!」



リュー「はい!いいですよー!」



チー「デュエットしようよ♪」



 このリューという男、バキョウ達が居た繁華街から少し離れた場所をきたのから任されていました。性格は柔らかく顔つきも女性的でなんとも言えない人懐っこさが有り、他の連中となにか違う気がしたのです。例えべんちゃらでもそれを売りにしてここまで成り上がってきたのはさすがとしか言えないのですが、周りを上手く取り持つ事しかしない穏健派なため、上司のきたのからは人間的には好かれてはいたものの仕事では非常に使いにくい立場に成り下がってしまいました。所謂これが末端の名ばかり幹部です。もし、経営難になれば真っ先にこういう人間は切られるかもしれません。




 しかしこういう生き残り方を知った人間は任された場所を必ず守り抜きます。リューがきたのから任されていた地区は圧倒的に不利と言われた地区でしたが自ら営業をかけて、自分の任された店舗をこれまでずっと売上を落とさずに真っ当に守ってきたのです。その閑散としていた地区を盛り上げる社会貢献をリューはしていたのです。




 酒盛りが続きます・・・・・・・。



にしま「いや別にさ、担当になるのは良いけどあんま期待するなよ?頑張るよ?そりゃ任されたからには俺は頑張っちゃうよ?やるよ?うん!俺だって!」



 チュンさんに仕事を任されて嬉しそうなにしま。酔っています・・・・。



リュー「いいっすよ!色々やって頑張ってやりましょうよ!どうやってキャストを増やしていくか考える仲間が増えたのも俺にとっては嬉しいっすよ♬」



にしま「俺も俺も!明日昼過ぎから出てこれる?きたのの許可が要るなら俺から連絡しとくから。」



リュー「当たり前じゃないですか!♬なんでもやってやりましょうよ!社長は・・・・連絡いいです、僕の仕事のことなんかどうせ興味ないので!(笑)」



にしま「そんなことねーよ!2人で日本一の飲み屋にしようじゃないか!♪きたのは良い部下を雇ってるよホントに!見直した!!優秀だ!!みんな優秀だ!!俺がついたことでどちらに転ぶか分からないけど、この不況に一矢報いたいとは思ってるから!仕事をやる上で常に!!」



 こんな若くて良さそうな人間がいるなんて、みなみももう少し早く紹介して欲しかったなぁ・・・。



 久々にこんなに飲んだな・・・・・。また傍でハクが酔いつぶれてる・・・・・・。




 ・・・・・・・・・・・・・・・・






 ・・・・・・・・・・・・・・・・






 ・・・・・・・・・・・・・・・・





 リューの事務所にて・・・・。



 カツカツカツ・・・・




 机を小刻みに叩いているカン。



カン「おい・・・・あのリューのバカタレはいつになったら帰ってくるんだぁ!こっちは調べることが山程あるってのに!」



ロン「すいません!居場所は分かっていますんで、ちょっとひとっ走り迎えに行ってきます!(兄貴何してんだよ…カンのオヤジが来てんのに…)」




カン「まぁもぉいいわ、あいつのことだ・・・どっかであいつが言う『営業』とかいうものを・・・してるんだろ。それで食えてて、俺も社長も認めざるおえない状況なんだから。・・・俺もぉ気が抜けたから、帰るわ。あとお前に任せるぞ。リューや外にいるボーーっと暇そうにしてる奴らも含めてしっかり調べろ。」




ロン「うす!」



カン「あのバカは困った時にはピーピー言ってくる癖に、こっちが頼んだこと1つもやらないからな。お前はそういう悪いとこ真似するなよ。」



ロン「うす!(早く帰れ!)」



カン(小さい拠点で平和ボケしてる連中ばかりだが、こうも他と差があるとな…そろそろ…考えざるおえないよな…。)



 カンは自分の車に乗りました。



 エンジンをかけ、事務所に向かおうとした所、携帯電話が鳴りました・・。




カン「おう・・・・どうした?」




オカ「兄貴・・・・・・・・・」




カン「なんだ?・・・・」



 ・・・・・・・・・・・・・・・・



 ・・・・・・・・・・・・・・・・



 ・・・・・・・・・・・・・・・・



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・





オカ「ソウマが・・・・やられました・・・・・。」

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