第14話 友人の住み家
正論をいくら仲村に叩きつけても、熱弁しても仲村の考えは揺らぐことはありませんでした。ただ自分の考えを貫くから、柴田に見届けておいて欲しいの一点張りでした。
仲村「今日はその話がしたかったんだよ。」
自分が命を狙われているわけではないですが仲村に対して今日は何とも言えない恐怖感を感じてしまいました。
柴田「お前、もしかして俺に止めて欲しいのか?」
仲村「そういうわけじゃない。西原が許せないんだよ。単純に。ただそれだけの話さ」
私からしたら仲村をイジメている西原はどうでもよい人間でした。しかし仲村からしたら巨悪、自分の人生を揺るがした悪でしかありませんでした。
アイスコーヒーを飲み終え食堂を出て、気づけば自習室に置いてあった私物を片付けて、私達は仲村が住んでいる寮に向かっていました。
仲村は隣県の学力推薦で入学した優秀な生徒でした。仲村のように他県から来た生徒は学校の付近にある寮での生活かアパート暮らしをしなくてはなりませんでした。
寮は高校から少し歩いて10分の閑静な住宅街の中にありました。
土日は寮母や当番の教諭が特定の時間しか居ない為、出入りは自由でした。天井の低い古い建物で、大体築50年位経っているのでしょうか。綺麗な校舎とうってかわってノスタルジックな雰囲気の建物でした。中は掃除が行き届いていて小綺麗な感じになっていました。高校生の寮なので汚いものと思っていましたが、思った以上に綺麗でした。生徒や寮母がしっかり清掃しているのでしょう。
私は小さな声で失礼しますと言って、3階にある仲村の部屋に入りました。仲村が作ったと思われる沢山のプラモデルが飾ってありました。ロボット、飛行機、戦車、様々なプラモデルが飾ってありました。高校生らしい普通の青年の部屋でした。
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