悠久のヴァルキュリア 〜僕と彼女たちの〝非〟日常〜

乙希々

序章

第1話 小さな想い。

 わたしはにんげんがきらい。


 だってあいつらは、だいすきだったととさまかかさまをおそらのうえにおいやったから。


 だからにんげんなんてだいきらい。


 けど、けどね。


 わたし、かみさまにおねがいしたの。


 にんげんになりたいって──。


 まえにね。はらぺこのくまこうがわたしをおいかけてきたの。


 わたし、こわくてにげたよ。


 でも、でもね。


 にんげんのおにいさんがわたしをたすけてくれたの。


 おおきなあいつからわたしをまもってくれたんだ。


 だからわたし、にんげんになりたいの。


 あのとき。


 じぶんのおくちでいえなかったから……。


 おにいさんに。


 たすけてくれて、ありがとう。


 ちゃんといえなかったから──。

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