第9話 "アイツ"

(数日後、ヨークシャー家、結婚式が行われる、ヘンリーらが歩き、白と赤の混じったバラの花びらが風に揺れて舞う、たくさんの関係者がいる、ジェイとジュリアンがいる)

ジュリアン『これが1歩目だね』

ジェイ『うす』

(結婚式の終わり、ジュリアンは挨拶回り、ジェイはソワソワしている、ヘンリーと奥様がやってくる)

ヘンリー(軽く肩を叩きながら)『どうしたんですか?』

ジェイ『ここっておれがいるような場所じゃねェ気が…』

ヘンリー『気にしなくていいですよ 君は命の恩人なんですから』

奥様『この度は本当に…ありがとうございます…!!』

(ジュリアンが歩いてくる)

ジュリアン『改めてご結婚おめでとうございます』

ヘンリー・奥様『ありがとうございます』

ジュリアン『いやあ さらに美しくなりましたね… この庭も…』

(全員が庭を見る)


(白バラと赤バラが混じった美しい庭園)

(ジェイは笑顔)

ジュリアン『新たな1歩ですね』

ヘンリー『はい いろんな事にきちんと向き合います』

(庭園に風が吹く)


(持ち人邸宅)

ヴァン『報告終わりました!!』

アル『おつかれ』

ヴァン『アルさん…いつから闇人(ヤミビト)関連の事件だって気づいてたんすか!?』

アル『最初からだ』

ヴァン『…ええ!? 何で判断したんすか!?』

アル『靴だ…靴裏の土に触れた時に闇人(ヤミビト)のエネルギーを感じた』

ヴァン『…どうやって触ったんすか!?』

(アルの右手が砂になる)

ヴァン『…!!』

アル『おれァ民間の事件に関わる気はねェ』

ヴァン『でも…結構話題すよ あのアル・アントレジャンが民間の事件も解決したって』

アル『正確に言やァ違ェだろ』

ジュリアン『お邪魔するよ』

(ジュリアンが入ってくる)


ヴァン『おつかれ様です!!』

ジュリアン『よくやったね ヴァン』

ヴァン『はい!!』

(ジュリアンがアルの方を向く)

アル『ジェイは?』

ジュリアン『まだ結婚式にいるよ』

アル『そうか…』

ジュリアン『いやあ ありがとうね アル君』

アル『別に 将闇人(ジェネラル)が出てねェから出動できただけだ』

ジュリアン『ジェイ君の事だよ』

アル『…!!』

ジュリアン『この件でジェイ君は持ち人(ホルダー)としてヨークシャー家の信頼を得た これは大きな1歩じゃないか』

ヴァン(そうか…!! アルさんはそこまで考えて…)

アル『買い被りすぎだ…』

ジュリアン『じゃあ次はさ…』


ジュリアン『ジェイ君を”ミュンヴァルト”へ連れてってやってくれないかい!?』

アル(嫌そうな顔をする)『アイツに会わせろと…』

ジュリアン『そう そういう事』

アル『将闇人(ジェネラル)が出るまでなら…』

ジュリアン『よろしくね』

(数日後)

ヴァン『お2人とも お気をつけて!! スレイ団長によろしくお伝えください!!』

アル(嫌そうな顔で)『ああ』

ジェイ『スレイ団長…!! どんな人なんだ?』

アル『アイツはただのチビだ』

(コロンダ宮殿、ジュリアンが事務作業をしている)

ジュリアン『頑張れよ おジェイ君』

〜ヴァルコマ王国 “ミュンヴァルト”〜

警報(通常の狼煙を感知して)『闇人(ヤミビト)出現 闇人(ヤミビト)出現』

(騎士達が電板でやりとりしている)

騎士達『こちらミュンヴァルト”シュター街”で闇人出現!!』『隣か!! 俺らも向かう!! 民間の被害は?』『13人!!』『総力は!?』『小闇人(グル)500体 大闇人(マニュス)1体 計6000!!』

(後ろから男性が現れる)

?『俺も行く』


騎士達『スレイ団長!!!』

「スレイ・ムントグスト、地人(チビト)、第1騎士団団長」

スレイ『あそこは住宅街だ!! 急を要する!! 俺は闇人(ヤミビト)!! お前らは住民の避難を!!!』

騎士達『はい!!!』

スレイ『生きてちゃんと帰るぞ!!!』

〜"ミュンヴァルト シュター街”〜

(小闇人500体がゆっくり進行、大闇人が奥で吠える)

(通常の狼煙が上がっている、すでに現地にいる騎士達が住民を避難させている、倒れている人がいる、泣いている人がいる、騎士が1人ケガをしている)

人々『お願い 娘がまだ家にいるの!!』

人々『どんどん近づいているぞ…』

騎士達『私たちの指示に従ってください!!』

(騎士達が着く、多くの騎士が住民の元へ走っていく)

人々『騎士たちが来たぞ!!』『スレイさんも一緒だ!!』


(スレイが立つ、スレイは身長が小さい、武器持ちが3人いる、1人はハンマーを持つ、2人はハンマー・剣・槍・火器などを3つずつ持っている)

スレイ『ルカ 2番』

(武器持ちの1人が槍を渡す、もう1人が気を抜く)

(スレイが槍を地面にドン!!、気を抜いた武器持ちがビクっとなる)

スレイ(睨みつけて)『武器持ちも立派な仕事だ 気を抜くな』

スレイ『ニコル いくぞ』

ニコル『はい』

(スレイとハンマーを持つ武器持ちが走り出す)

(小闇人たちが低いうなり声を上げ、一斉にスレイへと殺到する)

小闇人『……タマシイ…ヨコセ…』『……アア…』

スレイ『ハッ!!』

(スレイが一歩踏み出すと同時に槍を大きく横薙ぎに振る、先頭の小闇人がまとめて炎となって消える)

(体を一瞬沈め、槍を前方へ突き出す、槍が小闇人をまとめて貫く、炎となって消える)

小闇人『……アア…ウザイ…』

(さらに大量の小闇人がスレイの周囲を取り囲み飛び掛かる)


(時間が経過)

スレイ『ハッ!!』

(槍を斜め下から円を描くように振り上げる、上半身を跳ね飛ばされた小闇人たちが宙を舞い炎となって消える)

(すかさずスレイが後ろへと跳び、地面を蹴って方向転換、再び突進して小闇人の群れの中央に飛び込む)

スレイ『ハッ!!』

(槍を回転させるように振り、周囲の小闇人を巻き込みながら薙ぎ倒す、円状に炎が舞う)

人々(逃げながら)『なんて速さだ…!!』『もはや人間じゃない…!!』

(スレイは最後の群れへ突進し、両手で槍を構え、片手で突く)

スレイ『ハラァ!!!』

(まっすぐ衝撃波が走る)

(その一撃で残りの小闇人が全て炎になる)

スレイ『ニコル!!』

(ニコルがハンマーを渡す)

(スレイが大闇人の元へ走る、ジャンプする)

(空中で大気を蹴って大闇人の前へ、スレイは右手でハンマーを振りかぶる)

スレイ『ハァラアアア!!!』


『波動衝撃 (ヴェルン・ショック)』

(ゴォン!! 全力で大闇人の頭を撃ち抜く)

(大闇人は倒れながら炎となって消える)

(スレイが空中を飛んでいる)

スレイ『上出来だ』

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