人外の主人

Natal(ナタル)

第1話 【人外の主人】

(語り人)

ここは、人外達が豊かに暮らす街。でも人外って言っても、種族は色々居ますよね?

エルフに、妖精…とかは皆さんも良く聞きますよね?


この街には、そういった者は居ません。何故か?それは・・・。



街の商人「(村人を見つけて話しかける)そこのお客さん!

…あんたとても綺麗な角(ツノ)をしているねぇ〜。

この色の入った感じ……君は西の方から来たんだね!?」



西から来た村人「(言ってない事を言われ)何故わかったんですか!?

僕が西からきたって…」



商人「(笑いながら)分かるも何も…周りを見てご覧よ。

みんな美しい角を持っている。

特に、君みたいな西からきた同種も少なくないよ。」



(語り人)

そう……ここの人外達は、他のものにもならないほど

美しい角(ツノ)を持つ種族が住む街。


そんな街の奥深くに住む、ある人外の話でもしようか……。


街のさらに奥……森を抜けた更に奥の屋敷に、その人外は住んでいる。



アントラ「(あくびをする)…今日も冷えるな。だが、街に出なくては……。」



(語り人)

アントラ・ディミッド。洞角を持つこの屋敷の主人であるが、

種族付き合いが苦手で

こうして屋敷の部屋にこもって暮らしている。



レイズ「(走って来て、扉を開ける)アントラ様!!私もお供致します!」



(語り人)この者は、アントラに仕える枝角を持つ眷属・レイズ。

なんだが……

少々、困ってることがある……。



アントラ「(レイズを見て、ため息をつきながら)…レイズ、

お前は、前もそう言って…私のお供をしなかったではないか。」



レイズ「あれは、そのっ……綺麗な方に目を奪われて…(慌てている)」



アントラ「ほぅ………?主人である私を置いて、女の方になぁ……?(レイズに圧をかけるような言い方をする)」



レイズ「……ひいぃっ!!申し訳ございません!!(怯えながらも謝る)」



(語り人)

こんな事が日常茶飯事なこの2人。

だが、これから起こる事態によって、日常が一変するとは

この時は知りもしなかった。


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