転生ヒップホッパー ~ アメリカに転生!? ~

博雅

1 アメリカンな雰囲気に

「ふぅ、今日もお疲れ様でした!」


それが、八度目でようやく完成となるテイク後の、俺・田宮たみやツクルの挨拶だった。これで合格を貰うか貰わないかによって、アニソンシンガーとしての人生が大きく変わるかもしれないのだ。


が、モニタールームに居るプロデューサー・横模よこもさんからは何の返答もない。

俺は訝しがり、防音室を出、スタジオ内部を見渡すが、そこにはバンドメンバー ──俺がボーカルとして加入している、新進気鋭のアニソンバンド『ななころび』だ── がいないどころか、内部が明らかにアメリカンな雰囲気を醸し出した、あのハンバーガーショップ最大手のフード店・バーガーケーネッヒの内装を彷彿とさせる仕様になっているではないか!


(ここは…スタジオか? 昼寝中の夢か?──にしては鮮明すぎる)

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