お隣の推し(29歳独身雑談系Vtuber)が死ぬほど炎上している件
阿賀岡あすか
プロローグ 推しの中身が僕のベットで寝ている件
昨日あった出来事を出来る限り端的に分かりやすく説明するとなると、
・お隣さんがVtuberの中身だった。
・しかも絶賛ネットでトレンド入りするほど炎上している僕の推しだった。
・しかもしかもヤケ酒で自殺しようとしていた。
・なんやかんやあって、一時的に同棲することになった。
・あとたぶん、僕のことを女性と思っている。
……という、他人に必死に伝えてもこれっぽっちも信じてもらえないであろう怒涛過ぎる日だった。驚き過ぎて脳の処理が追い付かないなんて生まれて初めてだ。
正直、一日経った今でも起きた出来事が鵜呑みに出来ていない。明らかに冷静じゃない。胸に手を当てなくても心臓の音が分かるくらい鼓動がうるさい。もう夜中の二時だというのに、眠気なんて欠片も感じない。火照った額はじんわりと汗ばんでいる。
……どれもこれも、こんなドキドキしているのは――僕のベットを占拠して涎を垂らしながらスヤスヤ眠る彼女のせいだ!
畜生! 何でVtuberなのにこんな見た目もいいんだよ! 僕が漠然と浮かべていた推しの中身の想像よりもはるかに美人で、正直このまま近くにいるだけで好きになってしまいそうだ助けてくれ! 頼む! 僕は推しの話を聞くだけの壁でいたいんだ! 油断しきった彼女の顔を見ると必死に抑えている欲があふれ出そうで怖いんです!
今だって――おっと彼女が掛け布団を蹴飛ばしたせいでシャツの隙間から零れそうな胸が露出したので視線をノートに戻しました。はい困りました。もう振り向けません。
そんな訳で、深夜二時に頭の整理をして落ち着くために、筆をとった次第であります。
柄にもなく、記憶を整理して今の現状を受け止めるために、日記を綴ろうと思う。
お隣の推し(29歳独身雑談系Vtuber)が死ぬほど炎上している件 阿賀岡あすか @asuka112
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