25つ目の友情
「え?」彼の言葉が、今の自分の気持ちに重なり、思わず身を乗り出す。「この話、いつも遊んでるやつらには言わないでほしいんだけど。」と話し出した彼に無言で頷く。「小学校に入る少し前に知り合った女の子がいてさ、その子、俺らと同い年だったんだけど幼稚園行ってなくて。」と思い出しながら話す彼。チャーシューを頬張ってから、こちらを真っ直ぐ見てー。
「彼女、俺の初恋だったんだけどさ!」と急に明るく喋り始めた。「は?初恋?僕はお前の恋愛話を聞かされてたの?」と聞くと、「いや、ちが、くはないけど。ちがくて。」と焦る彼。「彼女さ、おんなじ小学校だったんだけどさ。その、俺、彼女のこと好きだったから、いっつも絡んでて。」と続けた。彼の話に黙って頷く。「その子、いじめられてたみたいで。他の女の子たちに。」と悲しそうに呟いた。
女の子たちのいざこざはよく分からないので、何も言えない。ただ、いじめられていた子が自殺を選んだというニュースをよく目にするので、後悔ちゃんの自殺の理由に近づけるかもと思い、話を続けるように促す。「でも、俺の前ではそんなこと隠して明るく振る舞ってて。もしかしたら、彼女なりにSOSを出してたのかもしれないけど気づいてあげられなくて。」と捲し立てる彼。なんとなく気になったので、「彼女は今どこに?転校とか?」と質問してみると、大地が黙った。
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