俺が強すぎて人生ハードモード
雨宮悠理
強すぎるのも困りもの
だが現実は違う。マヒロは生まれつき「最強すぎる力」を持っていた。物を壊し、人を傷つけ、日常生活すらまともに送れない。
たとえば、小学生時代のバレンタインデー。
「マヒロ君、これ受け取って!」
渡された手作りチョコを受け取った瞬間、チョコは粉々に砕け散り、渡した女の子は泣き出してしまった。嗚呼、好きだったのに。
中学では、イキりヤンキーの矢口に軽く肩を押されただけで反射的に力が入ってしまい、彼の腕を「粉砕骨折」させたこともある。それ以来、矢口とその取り巻きは二度と近づいてこなかった。
――あれから数年。マヒロは高校生になったが、力の制御は多少はマシになった。多少は。
「頼む、今日は何も起きないでくれ……」
机に突っ伏しながら祈る日々が、マヒロの平穏を守る唯一の手段だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます