黄昏の鯨
付喪紙 洸(ホノカ)
黄昏の鯨
ふと顔を上げる
広い世界に目を向けてみる
一匹の鯨が空を飛んでいた
そんな黄昏時の無人駅
夕日に照らされる
完璧な曲線を描く鰭
世界を優しく俯瞰する眼
傷一つ付いていない畝
どれをとっても耽美であった
鯨は黄昏と共に去った
静寂と虚しさが残る私と月夜
月夜に照らされる
青白い腕
隈を纏った瞼の重い眼
キラリと光る脆くなった爪
月夜は全てを見透かす
月夜が照らす
無人駅の跨線橋
こびり付いて取れない赤黒い錆は
私の心を写しているとも思えた
黄昏の鯨 付喪紙 洸(ホノカ) @Tukumogami_Honoka
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます