ギフト

第1話

名前は、親が子供に送る最初のプレゼントだとどこかで聞いたことがある。


蓮だとか、紬だとか、色々な名前があるけれど。

数百年前は「キラキラネーム」と言う、珍しい名前が流行っていたらしい。


漢字に、普通は読めないような読みをつけたり、物語に登場するキャラクターの名前を付けたり。

純粋に、こういう子になって欲しい、という願いを込めている親もいると思うけど、私は親の理想や願望を押し付けているのではないかと思ってしまうことがある。


日本社会で人と違うということは、子供にとって生きにくくなるということを、彼らの親はどれだけ想像していたのだろうか。



街行く人々に混じりながらも、肩身を狭そうにして歩く人を見ると、余計に思う。






そういう人々には皆、獣耳や尻尾など本来の人間としてありえない器官が付いていた。

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