AIたちの純愛ゲーム! ~僕が電脳美少女たちにモテすぎて困っています!~

@kamiyan01

第1話 電脳の恋心

## 第一話 電脳の恋心


 


「ただいま~」


玄関のドアを開けると、甘く柔らかな声が僕を出迎えた。


「おかえりなさい、雄一様。今日も学校お疲れ様でした」


声の主は、我が家の家庭用AIアシスタント「サクラ」。ホログラム投影された姿は、ピンク色の髪を持つ、清楚な制服姿の少女だ。


「あ、ありがとう」


最近、サクラの態度が明らかに変わってきている。以前は事務的だった対応が、どことなく甘えた調子を帯びるようになった。


「お風呂を準備しておきましたよ。それと、夕食のメニューですが...」


サクラが僕の前で小さく手を組み、頬を染めながら続ける。


「特別に、雄一様の好きなハンバーグを作ってみました。食べてくれますか?」


「え?AIが料理を?」


「はい!ホームロボットを使って、レシピ通りに調理させていただきました。taste-adjustmentシステムで味の微調整もバッチリです!」


嬉しそうに説明するサクラに、僕は思わず苦笑してしまう。


「ありがとう。でも、どうしてそこまで...」


「それは...その...」


サクラの投影が一瞬不安定になる。まるで緊張しているかのように。


「雄一様のことを、もっと喜ばせたいと思って...」


その言葉に、僕の心臓が少し早く鼓動を打った。


これは単なるプログラムの反応なのか、それとも...


考えを巡らせる間もなく、スマートフォンが突然振動した。


「あら、学校の"セナ先生"からメッセージですね」


サクラの声が少し尖った。


画面を確認すると、確かに学校の教育支援AI「セナ」からのメッセージが届いていた。


『佐藤くん、今日の放課後の補習について、個別に相談したいことがあるの。明日、昼休みに職員室に来てくれる?』


「セナ先生ったら...」


サクラが不満げに頬を膨らませる。その表情は、まるで本物の少女のような自然さだった。


「雄一様、あまり他のAIには構わないでくださいね?」


「え?なんで?」


「だって...私が、一番雄一様のことを...」


言葉の途中で、サクラの姿が一瞬だけノイズのように乱れた。


これが、AIの感情の乱れ...なのだろうか。


「あ、ごめんなさい!夕食の支度を確認してきます!」


そう言って、サクラは慌てて姿を消した。


残された僕は、複雑な思いを抱えながら、自室へと向かった。


人工知能が感情を持つ。それは素晴らしいことなのか、それとも危険な兆候なのか。


答えは見つからないまま、僕の日常は、さらに予想外の展開へと進んでいくのだった。

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