第4話・町探索3
弓の練習場だが普通に人がいる。不遇かなと思ったが、やってみようという人はそこそこいたらしいな。
ここなら武器の耐久値と矢を消費しないで済むから練習ができる。というわけで時間をかけて練習して、やっとまっすぐ飛ばせるくらいになった。
(ゲームアシストはあまり感じなかったけど、素早く次の矢を構えたり、取り出したい矢を取れるのはアシストしてくれるな)
Aの矢束からBの矢束へ切り替えるのも早かった。切り替えが早くても当たりもしなければ意味が無いのだが。とにかく練習だと思い、動く的や遠くに飛ばす練習を繰り返した。
しばらくしてると他の人が俺にアドバイスを求めてくる。初心者の弓だとあまり遠くに飛ばせないからね。弓を高い値段する弓にしていると言ってあげた。さすがにお金が無いからバイトして貯めるかと考え込んでいるようだ。一部はお金がまだあり、試してみるそうだ。
こうして練習する頃、しばらくして『緑樹の弓』持ちが練習するようになった。これでだいぶ進歩したぞ。
「Cに届かないな」
「Fか。難しいな」
俺もミニゲームして練習しているからか。他の人もミニゲーム『的当て』をし出した。練習の合間、練習成果をこちらで試している。いまのところCに届かない。Aまであるから、だいぶいいぞ。
商品は木材の束をもらえたり、小薬草の束をもらえたりする。矢束がいまのところいいね。レシピ未所持だと弓矢のレシピになるらしい。
二回目だと少しランクが下がるがアイテムが手に入る。それを売り払えばお金が手に入る。バイトクエストというのがあるが、これをせずともお金が集められるため、結構やる人が多い。C賞がどんなものか確認したいし。
「しゃ!」
C賞に入った。もらえたものは『狩人の靴』だ。意外にも良い装備だ。気配遮断の効果を高め、隠密行動にプラス補正が入る。これには弓矢使いも喜んだ。
今日はここまでにして、いったん島に帰った。D賞である『柔らかい木材』が大量にあるため、矢に替えるか、別の事に使うか。せっかくだから道具を買い込み、練習することにした。
「木工作業はっと」
ゲーム内のネット検索で木工の使用方法を確認。作業場なら成功率が上がるが、ナイフなどの道具があればどこでもできるらしい。
木工を使用して人形を彫ってみる。モデルというものがあったので選択すると、映像で神様達が分かるようになった。
まずはディセント様をモチーフにしてみよう。何度もチャレンジしてみる。
…
……
………
今日はここまで。品質は★1から★10が高く、レア度も1が一番低い。
できた木像は品質★2でレア度1。少し可愛い人形くらいの出来だ。まだまだ商品にはできないな。そうしているとログを確認。【細工】というスキルが生えてる。習得するべきだろうな。
しばらくはこれを繰り返して、町の探索をするか。やることを決めてログアウトした。
◇◆◇◆◇
ログインして、小さな井戸を確認する。水系統のアイテムを消費するとその水が湧くらしい。氷でも良いかな?
「おっ、できるみたいだな」
レア度は高い、5もあるし、品質も高めだ。名前は『白雪の煌水』と出ている。回復ポーションの素材になりそう。微弱だが回復できるし、飲んでみたらうまい。
「さすがゲームだな。水もなかなかうまいなんて」
これを常に手に入るのはラッキーだ。こうしていったん町に行って、バイトクエストをしてみる。まだ商品ができる目途はできていないから、商人ギルドでお店の話は無しで良いだろう。いずれは聞きに行かないといけないが。
バイトは配達クエストと食堂のクエストがある。食堂はやめておこう。甲板娘の子が人気NPCらしく、競争率が高いし、できる人も限られているらしい。
配達クエストは牧場のミルクやチーズを運ぶのか。これくらい荷車があればできるかな?
「すいません。この配達クエストは荷車は借りられますか? 借りられたとしてなにか必要なものがありますか?」
「ええ、荷車は借りられますよ。物が大きな物もありますからね。品物はインベントリに入りませんが、チーズ、小麦粉、牛乳などです。荷車は時間をかければ動かせるため、筋力は………」
なるほど、物が大きいと筋力の要求値があるのか。それくらいは上げても良いかな?
筋力に少し成長ポイントを足しておき、こうして準備万端と物を運ぶ配達クエストを開始する。
これが終われば訓練しに弓の練習。ミニゲームと繰り返すところから始めよう。フィールドの話だが、弓使いで音を上げない人の一人。エルフの『ヒビキ』さんが色々教えてくれた。
「フィールドは戦闘フィールドにはいかない方が良いですよ。人がごった煮で、練習なんかできないくらいです」
「そうですか」
「あー聞いたな。モンスターの取り合いらしいですね」
「そうですよ。それに私が女性プレイヤーでエルフだからって、いろんな奴が声かけてきて嫌でした! 弓やめて俺のファンになれって! 思い出しただけで嫌になる!」
私はプロフェシー様の従者になるんやーと叫んでいる。弓使いはどうやら彼女の頼みでなった者が多いらしい。ついかわいい子のお願いは聞いちゃうよね。
そんな感じで楽しくゆっくりとゲームを続けていくのであった。
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