アイランド・オンライン 島の開拓者・商人として頑張ってみようか
読書好きのシマリス
第1章:アイランド・オンライン
第1話・はじまりはじまり
急な幸運というものは突如やってくる。買い物で手に入ったくじを引いて、特賞を当てた。
「おめでとうございます!特賞! VRチェアカプセルとVRMMOソフトです!」
「これはまあ」
はあどうするかと思ったが、ちょうどいいかもしれない。
私はどこにでもいる普通、いや過小評価は嫌味か。それなりに仕事のできるオッサンだ。
趣味は無し、有給はほとんど寝て過ごして無理やり消費して過ごしている寂しい男だ。そこそこ年を取り、趣味らしいものが無くて困っていたところ。良い物が手に入り、やってみることにした。
一応警備体制がしっかりしてるところに住み込んでいるマンション暮らし。なにか置く用であったり、親が様子見に来た時に泊める部屋があるのでそこに置き、ゲームの情報を集めた。名前は『アイランド・オンライン』。プレイヤーは特殊な島をもらい受けて、世界戦争が終わった世界を復興する話らしい。
その世界の神がいまの住人では余裕が無いと判断、異世界からプレイヤーを招いて、世界や文化を発展させようというのがメインらしい。色々特典があるな。課金要素は問題ないな。
職業システムは無し、できること、できないことはβ版をプレイした人が付けているな。自分の島で自分だけの村や町を作り、人を呼び込み発展させるゲームらしい。物作りも力を入れているから、そちらをメインにするのもありだな。
なら商人のように物を作ったりして売ったりしよう。そういうプレイをするために生産職コースで課金の準備と、スキルの確認をする。
こうしてゲーム正式スタート日、そんなに急いでいないため、ゆっくりと時間を作りやることにした。さてと、体の動きはどこまでアシストしてくれるかな? 少しわくわくしているため、楽しみだな。
カプセルに入り、ゲームをスタート。すぐに視界が黒く染まり、現れたのは一人のお嬢さんだ。
「はじめまして~私は土の女神『ディセント』です」
「こんにちは」
「まずは私達の世界で使用するお名前を教えてください~」
かなりおっとりとしたお嬢さんだ。金色の長いふわふわした髪にドレス姿で浮いている。私はおはぎが好きだから『おはぎ』と名乗ってみた。これは問題なく通った。
次に身体作り、種族を設定してからリアル情報を元に作成するらしい。種族はエルフ、ドワーフ、獣人である猫と犬がいるが、自分は人間を選び、少し若めにしてもらった。これだけで身バレは無いな。
「次に課金要素ですが、ご利用なさいますか?」
「はい」
「毎度ありがとうございます~」
課金要素のウインドウが現れ、私は生産職のコーナーを選び。始まりのマイホームを購入する。少し高めの物だ。
「始まりのマイホーム(農業)を確認しました~ リビングキッチン付き一軒家、小さな井戸、畑六マス×3、農具セット、小さな製粉機。玉イモの種×1、小麦の種×1でよろしいでしょうか~?」
「キッチンはなにができますか?」
「火を魔力、MP消費で点けて、火で温めるくらいですね~ フライパンがあれば焼く、鍋なら煮込むことができますよ~」
「ありがとうございます。次にスキルですが」
「10個までと課金スキルで三つまで所持できます」
なら【料理】、【農業】、【木工】、【鍛冶】、【石工】、【土魔法】、【裁縫】、【糸紡ぎ】、【調合】、【伐採】、【採取】を選ぶ。神様は難しい顔をした。
「ん~?生産職の方ですか?」
「ええ。まずいですか?」
「いいえ~生産職の方は私みたいにのんびり屋さんが多いですから~ けどオンリーは少し。【伐採】、【採取】、【調合】、【石工】は無しが良いですよ~ それはギルドで教えてもらった方がお得です~」
「なるほど、【気配遮断】と【鑑定】、【解体】は知ってましたから」
「それもギルドで覚えると良いですね~」
では残りは戦闘スキルを取ろう。というわけでおすすめのスキルを確認してこれは良いと思った物を選ぶ。
「【魔法の才能】と【器用な指】、【遠目】ですか~。【遠目】は貴重ですからいいですね~ 残りはどうします?」
「お恥ずかしいながら思いつきません」
「それでしたら………向こうの世界でなにをしたいか、教えてくれませんか?」
自分は正直に物を作ったり、採取した物を売ったりする商人をしたいと伝えた。なるほどと頷きながら、ならばと【鍛冶】を外した。
「鍛冶スキルも、採掘スキルを取る際に覚えられますから。これで余裕があるのは三つですね~」
それで三つのスロットに名前が刻まれる。【小さな幸運】と【兎の足】、それと【緑の加護(小)】。
「【小さな幸運】はホントにささやかですが運が良くなりますぅ~ 【兎の足】は動き回る際の敏捷度を上げてくれてぇ~【緑の加護(小)】は農業の手助けをしてくれますよ」
「おおそうですか」
「これは内緒ですが、少ない農家さんに教えてあげますね~」
なんでも【緑の加護(小)】があれば木を育てることはできるらしい。ただ【育樹】が無いから、木の実が成るのに時間がかかるそうだ。まあ手に入ればかなり速く木の実ができるらしい。
「いまのうちになにか聞きたいことはありますかぁ?」
「そうですね。神様の像とか作ってみたいのですが、モデルにしてもいいですか?」
「はひ~良いですよ~基本女神は木工とかで売られてますから、精工な物から簡易の物まで色々ですねえ~」
ならばと手を打ち、どこかに連絡をしてくれた。
「火女神『ネメシス』だ。お前か神像を作って売り物にしたいというのは」
「水女神、『プロフェシー』」
「風女神の『オラクル』っす!可愛く頼むっすよ人間!」
燃え上がるような赤い髪のネメシスさん。大人しい青色のゴスロリ少女のプロフェシーさん。ショートの可愛らしいオラクルさんが来てくれて、少し様子を見たりした。分からないことは神殿の女神像でも参考にして欲しいとのこと。
「あっ、戦闘スキルが土魔法だけですから、初期装備は杖になりますか?」
「いいえ、そういえば武器は決めていませんね。どんな武器にしますか?」
「おすすめあります?」
「弓」
その時、プロフェシー様が弓と告げた。それに周りは困った顔やあきれ顔でやれやれと首を振る。
「自分の得意武器じゃないっすか」
「弓は素人が扱うには練習が必要だ。初心者には向かん」
オラクル様とネメシス様がそういうが、一貫して弓というので、弓を選ぶ。無表情の顔だが少し頬が緩むプロフェシー様。
「ギルドで練習、ミニゲームもあるから練習成果をここでやることをおすすめ」
「はい、わかりました」
周りの人はやれやれと言いながら、ネメシス様はそういう反応で、ディセント様は困った顔で微笑み、オラクル様はやっちゃってるなーという顔をする。なんなんだろう?
色々話をし終え、こうして自分はゲームの世界へと向かうことになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます