おそらく、近所を探せばこういう家族は近くに一つくらいはあるだろう。
そんな、ありふれた家族。
そして主人公は、これまたありふれた
……多分、今時の普通の若者
家族というのは、もっとも身近で最も難しい関係。
その内情は、普通であればあるほど難しいのかもしれない。
実際に暮らす上でも、物語として描く上でも──
この物語を読み進める最中、
私は何度、想像と現実を行き来しただろう
あまりにも、ありふれたといえるほどの手触り感とリアルさ
しかし、私の現実とはあまりにもかけはなれている「普通」
(独身者には眩しい程の普通、という意味ですよ念のため)
普通がありふれているなんて、創作においては間違いだと思う
こんなにも普通を瑞々しく描き出せるなら
普通はもはや「特別」である