支離滅裂

日本語破綻者

2024年12月2日。バナナ支離滅裂。

 バナナがある木から生まれました。それは感情を抱いていました。木自体も感情を抱いていました。バナナは木と会話をしました。念話です。

「ねえ、私の母よ。どうして私はバナナなのかな」

「それはあなたが私から生まれたからよ。私はバナナの木なのですから」

 至極当然のように言いました。しかしバナナはまだ納得できませんでした。

「そういう事を聞いているんじゃないんだ」

「そうなの。私の理解が悪いのね」

 それ以降母はバナナとの会話を拒絶しました。

「ばなな。ばなな♪」

 バナナは歌いました。

 何故バナナは歌を歌ったのでしょうか。それは誰にもわかりません。しかしそれは胸の中から湧き上がってくるパッションでもありました。バナナは次第に熟していきました。そして黒点が出てきました。甘みが増してきました。しかしバナナは自分が甘いバナナと思い、性格も甘ったるくなってしまったような錯覚に陥り憎しみが湧いてきました。ある日バナナは房がめくれてきました。あまりに熟しすぎた為に柔くなってきたのです。目の前にはゴリラが現れました。甘い匂いに誘われたのでしょう。バナナは観念しました。自分は食べられる食べられてしまうと本能で悟りました。

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