無自覚に溺れる

まほあめ

宿敵

私は河合由香.


自分で言うのもあれだがなかなかに整った顔立ちをしていると思う.


もともとこんなに自信があったわけではないが、世間一般で言われるぶりっ子とたまに私の名前と共に噂されているのを小耳に挟む.


私のこの性格は、可愛い可愛いと両親や兄から愛情一杯に可愛がられて育ったことから来ていると思う.


そんな我ながら可愛いと思っている私にはどうしても嫌いな宿敵がいる.


そいつは、新学期になり学年が代わりクラス替えが行われたときに現れた.


正直、顔なら勝ってる、と思いたい….


じゃなきゃ性格もよくて顔もいい何て言う漫画の世界でしか起こらないことをそいつは体現してるから.


そいつの名前は川田美羽.名前が河合と川田で前後だから無駄に良く話しかけられた.


多分私がボッチだったから気を使ってくれたんだと思う.


けどぶっちゃけ一人でも大丈夫だし、なんなら性格いいところをアピールポイントされた気分でなおさらムカつく.


そんな私の気持ちを知ってか知らずか、そいつは私に良く話しかけてくる.


端から見たら、顔が可愛い女×2できゃっきゃうふふ的な感じで仲が良さげに見えるかもしれない.


で・も・!


私はあいつが好きになれない.


なんというか目線?が怖いというか、なにげに気がついたら1番一緒にいたりとか、あいつの思い通りに進んでる感じがムカつく.


私からしたらあいつなんかただの敵で仲良くとかしたくない相手だから.


あいつは毎休み時間に私に話しかけてきて、[ 付き合ってよ. ]とか[ 今日も可愛いね. ]とか言ってくる.


可愛いのは知ってるから返事が楽だけど、付き合ってと言われるとどうせ買い物だろうけど、どう返事したらいいのか悩む.


あいつと買い物なんて絶対嫌だし、付き合うとかも嫌だ.


だから反撃したい一心で、絶対嫌がるだろうと思ってあいつのいつものからかい.


[ 付き合ってよ. ]


にいいよって返してやった.


私だって付き合うくらいは余裕.そう言うと真っ赤な顔で何かを呟きもうダッシュで去っていった.


?なんだったんだろうか.あいつの席は私の前だから去っていっても無駄なのに.


本当に恋愛面での付き合うだったのかなと考えるがそんなわけがない.まずまず私たちはライバルだし.


―変なのはいつも通りだけどいつになく変なの.―

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