知らぬが仏 言わぬが花
ヤマシタ アキヒロ
第1話
知らぬが仏
二足歩行のわれわれは
後ろ向きには歩けないので
前を向いて歩くしか
方法はない
たとえ背後に
お化けがいようとも
この目で見ない限りは
いないのに等しい
物を拾うのに
身をかがめた瞬間
横殴りの木材が
空振りするかもしれない
あるいは小さ過ぎて
気付かないだけで
本当は巨人たちの林の中に
いるのかもしれない
われわれは誰かに
守られて生きている
見えないけれど
確かにそこにいる誰かに
数々の危険にさらされながら
辛うじて生きているわれわれは
たまたま偶然が重なって
ここにいるだけ
たとえ視界が不良でも
後ろ向きには歩けないので
やはり前を向いて歩くしか
方法はないのであろう
知らぬが仏―――
この偶然は
運命であろうか
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