第2話 プロローグ

武装探偵社。それは、昼の世界と夜の世界。その間の薄暮を仕切る者たちの総称である。そして、今日はヨコハマでの大きな事件を解決し、さらに社員ニ名が過去の呪縛から解き放たれた翌日。故に、社員のほとんどがのんびりと、過ぎる日々を謳歌していた。福沢と乱歩は出張。谷崎及び妹のナオミ、鏡花は非番。賢治は在庫が無くなった駄菓子を買いに行っている。そう、いわゆる休日なのだ。探偵社にとって。故に誰もがダラダラと過ごしていた。……わけではなく……。

国木田独歩・中島敦の二名は報告書の作成で大忙しだった。国木田は言わずもがな自ら進んで、敦はジャンケンに負けたのである。

「おい敦!、No.10の報告書はまだか!」

「まだですよぉ!まだNo.7です!」

「チッ…… おい太宰」

すると国木田はソファーでゴロゴロとしている太宰に声をかけた。だが、サボり魔の太宰がやるはずもなくー。

「何だい? くーにきーだくーん。私はやらないよ?

 私は今から入水の時間だからね」

太宰が返した返答はいつも通り、いつも通りなのだがー

それが余計に相手を怒らせたようだ。

「太宰ィィィ! 俺たちに見せつけるようにゴロゴロとするなァ!

 大体お前も探偵社員だろう!社員なら仕事をしろ!」

「いやだよ絶対に。何故ジャンケンに勝ったのに仕事をしなくちゃならないのさ」

「お前はジャンケンの勝ち負け関係なく、常に仕事してないだろ!」

「それは僕も同感です」

「あ、敦くんも言うようになったね…」

そんなたわい無い会話が続いていると、パソコンに一通のメールが届いた。

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