第4話


 …生まれたままの姿になった虎斑先生は、白いシーツを細身の裸身に纏って、保健室のベッドに横臥した。


 3年間、熱を出したり、気絶したりして、数えきれないほどお世話になった思い出の?ベッド。…ずっと淋しく、陰気なうらぶれた気分でいた場所だが、今日だけはそこに”理想の花嫁”が、実人生では手の届かない夢の世界からの贈り物のような、麗しい天女がいるのだ。


 少し震えているような緊張した指先を気にしつつ、ボクは先生のつややかな肌に手を伸ばして、あちこちさまよった。先生はされるがままに、身を任せている。

 

 「女の子とケイケンある?あるわよね」

 まじかで見ると、瞳が大きくて、先生は怖いくらいに綺麗だった。息はふんわりとかぐわしく、エキゾチックなハーブの香りを連想させた。


 <to be continued >



 

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