7 一緒のお昼ご飯③−君と帰り道
反対側を向いてしまった、やはりなにか気に触ることを言ってしまったのだろうか。
「あ、そうだみり先輩、試作品で、私のお弁当にしか入ってない、手作り餃子あるんですけどいります?」
「くれるなら、もらおうかな」
「はい、あーん」
いや別に要りますとは言ったけど…あーんする必要は無くない?、それに昨日と違って人の大勢いる食堂だ、さっきからスルーしてはいるけど、たびたびこっちを見る視線を感じる。特に今は。
「いや、その、あの」
「あそう、要らないんだ〜」
「あーもう食べればいいんでしょ!」パク、ムシャムシャ
あ、美味しい、肉多めと…学校で食べることを見越してにんにくはあんまり入ってないのかな?、代わりに生姜を感じる。これは…
「…うん、美味しい、最高」
「やった〜、先輩好き〜」
「軽々しくそういうこと言わない!、あとで色々聞かれるの俺なんだから!」
「えー先輩のケチ〜」
(ほんとうはあーんってしたいからこの餃子を昨日の夜に仕込んで私のところにしかいれてなかったんだけどね)
今日もお昼の時間が終わって教室に帰ったら
「「「どういうことか説明してもらおうか(いましょうか)!」」」
柊を含めたクラスの数名から詰められた。
「いきなりなに!、なんなの一体!」
「それはこっちのセリフだ藍星!」
「あの宵闇さんにお弁当作って来てもらってるだけじゃなく」
「あーんってしてもらってるらしいじゃないか!」
「「「その上で、何もやってないと言うのか(んですか)!」」」
あーほらやっぱりめんどくさいことになった。
「宵闇さんと仲良くなった経緯を」
「一から十まで」
「洗いざらい吐いてもらおうか!」
「お前ら息ピッタリだな!」
どこかで打ち合わせでもしてたんじゃないかコイツら
「まあそのことについてはいつか話すよ、"いつか"」
「ボクシッテル、これ一生話さないやつ」
「いや、というか今はちょっとタイミングが悪いからまた今度に出来ない?、もうすぐ五限始まるしさ?」
なんとか追求を逃れることに成功した。
五限、六限が終わりクラスのやつがまた話を聞きに来る前にとっとと帰宅帰宅。今日は金曜日、つまり週末!、休み!、家にこもってゲーム三昧、生きてて純粋に楽しいと思えることの一つだ。早く家に帰って…
「学校から離れてるからもう先輩呼びじゃなくて大丈夫ですねー」
「⁉、いつの間に後ろに⁉」
「結構前から居ましたよ?、それよりそれより」
そう言って彼女は道端のスターベックスを指さして
「今日寒いからあったかい飲み物が飲みたいな〜」
あるまが手を引いてくる、こう言われたら行くしか無い。
「一緒に飲みましょ?、お金は半分しっかりだしますし」
「ならいいね、行こう」
数日前まで暑かったはずなのに、今日は冬を感じさせる寒さなんだから最近の気候はわからない。そんな時にあったかい飲み物を飲むのは理にかなってると言えるだろう。
「チョコレートムースラテ、サイズは
二人で飲むことを考えて通常のトールサイズのより一個大きいサイズのグランデを頼んでいた。
「買ってきました〜、一緒に飲みましょ〜」
そう言って一口飲んだラテを渡してきた。じゃあ俺も…これ間接キスじゃん、そう思ってあるまの方を見ると、彼女もこっちを見ている。まさか…これが狙いか!?。
(ふっふっふ、冬にあったかい飲み物を買うという一見当たり前のことをしているように見せかけて、何気ない流れで間接キスをさせる完璧な作戦…)
…どうやらハメられたみたいだな…仕方がないから飲むけど…のみ口一つしか無いからしかたない、これは不可抗力だ。
ゴクゴク
「…あ、美味しい」
「…美味しい、ね、ほんとに」
ちょっと気まずい沈黙の時間、
「このチョコラテ、持ってるだけであったかい」
「私も、持つね」
そうしてあるまは自分が両手で抱えてる上から包んできた。
「こうすると、きっともっと温かいよ」
彼女は顔を赤らめながらそう言った…ような気がする。
「…じゃ、飲みながら帰ろっか」
「そだね、そうしよ」
ただ早く家に帰ろうとしていた自分では感じられない、体だけではない心の温かさがそこにはあった。
「じゃ。また今度」
「ばいば〜い」
この温かみを感じさせてくれたあるまには感謝しなければね…さて家に帰ったら何しようか。
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