星とおでん

菫野

星とおでん

迷惑メールたんたんと消す昼休み星を握れば燃えあがる手で


冬、森で偽名で暮らす世界からゆるされてゐるきのこのやうに


迂回する道があること知つてゐる井戸を見上げるひとゐることも


わたくしの背を越ゆ雪が木が生が 死とは翼のかたちとおもふ


傘ので雪が燃えるよさびしくて雪からみればひとは火炎で


火を見つむ ひとは必ずたいせつなひととほのほを囲むのでせう


星々と同じ呼吸で息をするおでんがとても美味しくできる


やはらかく生まれくづれるみづうみに初雪が降る 大丈夫だよ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

星とおでん 菫野 @ayagonmail

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ