ヒタヒタ、バタン
天川裕司
ヒタヒタ、バタン
タイトル:ヒタヒタ、バタン
ある夜、私は道を歩いていた。
すると後ろから、ヒタ…ヒタ…と
足音のようなものが聞こえてきた。
「えっ?」と思う間もなく
私はどんどん早歩きをして
アパートまで帰ろうと試みる。
歩いてるだけなのにハァハァと息が切れる。
だいぶアパートまで近づいてきた。
でも足音はその途中でもずっと聞こえ続ける。
「な、何なのよ一体…」
もう泣きそうになってしまった。
「こんな事なら脇田君に送って貰えばよかった…!」
心の中で何度もそう叫んだ。
実は今日、飲み会があって皆と散々飲んだ後、
帰路につき、今に至ってるわけだ。
飲み会が終わって道に出た時、脇田君が、
「送ってやろうか?」
と言ってくれたのに私はそれを拒否してしまい、
「大丈夫大丈夫♪ 1人で帰れるから」
なんていつものように応えたんだ。
「送って貰えばよかった…送って貰えばよかった…!」
何度もそう心の中で叫んで、
ようやくアパートに辿り着き、
速攻で部屋の中に入った。
「ふう〜〜〜〜〜」と物凄いため息をつき、
「何事も無くてよかったぁぁぁ…」
と無事に帰れた事を心の底から喜んだ。
と、その直後…
バタン!!と思いきりドアが閉まる音がした。
「きゃあっ!」思わず悲鳴をあげた。
いや、ちゃんとドアは閉まってる。
…なのに、もう1度ドアが閉まる音が聞こえたなんて。
そして又そのすぐあと電話がかかる。
女友達「ねぇ聞いた??脇田君、帰りに事故に遭っちゃったんだって…!」
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=61q9zdFIrEA
ヒタヒタ、バタン 天川裕司 @tenkawayuji
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